ワイドスターはNTTドコモが提供する、衛星携帯電話サービスである。ワイドスターは、1996年(平成8年)3月29日に、海岸の基地局を利用した船舶電話を置き換える目的でサービスが開始された。2011年(平成23年)12月末時点の契約数は、41,300契約である。スカパーJSAT保有のN-STARc(2010年(平成22年)6月まではNTTドコモ保有、東経136度)とJCSAT-5A(NTTドコモにおける呼称はN-STARd、東経132度)の2機の静止衛星を用いて、日本の領海・領土・200海里水域向けのサービスとして提供しており、衛星が見通せる地点ならば、海上・陸上・空中を問わず利用可能(但し、民間旅客機向けの衛星航空機電話サービスは2004年(平成16年)3月に終了している)。N-STARの初号機は1995年(平成7年)N-STAR-aが打ち上げられた(現在は役目を終えている)。衛星通信の場合、春分の日および秋分の日前後に、地上局=衛星=太陽が一直線に並び、太陽雑音による通信品質の劣化が避けられないが、経度の異なる位置に2機の衛星を配置することにより、その影響を最小限にとどめている。赤道上空36,000kmの静止衛星から4つのビーム(東日本ビーム・西日本ビーム・沖縄ビーム・小笠原ビーム)で陸上と海上の通信サービスを提供している。日本から衛星までの距離は約4万kmであり、電磁波の速さは約30万km/秒 であるため、往復で約8万km ÷ 約30万km/秒 ≒ 約0.2秒前後の伝送の遅延が発生する。一般にも利用される代表的なものでは、長距離フェリー(ただし最近は減少傾向にある)や高山にある売店、山小屋などに設置してある公衆電話がある。自衛隊、気象庁および海上保安庁職員のみが駐在している硫黄島や南鳥島でも、本土との電話回線にワイドスター電話が使われている。なお、後述する後継サービスのワイドスターIIがサービスを開始しているため、従来のワイドスターは2011年9月30日をもって新規受付を終了しており、2014年3月31日にサービスを終了する予定である。大規模災害に備えて公共施設にも設置されている。地震などの大災害が発生すると、通常の電話回線は多くの通話が殺到して輻輳状態になるほか、有線通信の実態として電話回線が損傷すると通話そのものが不可能になる。その点、衛星電話は地上設備が比較的少なく設備損傷のリスクが少ないと考えられるため、地方自治体・警察・消防用の緊急電話回線(一般用とは別系統のワイドスター電話端末)が設置されている。また企業でも災害対策用として導入が進んできている。しかしながら、回線数は有限であるため、極端に輻輳が発生した場合においてはPDCと同様に「しばらくお待ちください」と表示されることもある。東北地方太平洋沖地震においては、携帯電話や一般固定回線が設備の破損により使えなくなった地域の避難所などに、複数台のワイドスターが特設公衆電話として配備され利用されている。使用している周波数が電波の窓(都市雑音や電離層の影響を受けない1GHz以上で、降雨減衰の少ない10GHz以下の周波数帯)であるSバンド(端末 - 衛星間)およびCバンド(衛星 - 地上局間)であるため、降雨減衰が少なく、天候による障害が起こりにくいのも特徴である。日本の通信事業者(NTTドコモ)が行っているサービスのため、電話番号は090や080の電話番号が割り振られる。そのため発着信は、通常の携帯電話と同一である。陸上用と船舶用で割当が異なる。陸上用は通常の携帯電話の番号と区別がつかないが、船舶用の番号は割当てがある。このうち船舶用は一部のIP電話から発信することができない。他の海外キャリアの衛星電話は、発着信の際国番号や特定番号をいれなければ発着信ができない。法人営業部門のあるドコモショップ等で端末の購入が可能である。また同様に、故障修理等の保守もドコモショップで可能である。ごく一部のドコモショップでは契約・解約ができない。ワイドスター用の地上局は小夜戸衛星通信所(群馬県みどり市東町)と揚枝方衛星通信所(茨城県北茨城市)の2か所にある。これは片方の局が地震等で被災してもインフラを維持するためのリスク分散。また地上局と衛星間の通信においては、Cバンドを利用して通信を行っている。三菱電機製。可搬型、車載型、船舶型、屋内設置型の4形態すべての端末にアナログ・デジタル自動車電話と同等の10芯インタフェースが実装されている。電気的仕様等詳細については、#外部リンクの「技術参考資料」を参照のこと。下記料金はすべて税込。2010年(平成22年)4月12日より新たな衛星電話サービスワイドスターIIの提供が開始された。ワイドスターIIでは現行のワイドスターでは最大64Kbpsであったパケット通信速度を下り最大384Kbps上り最大144kbpsに高速化する。また64Kbpsの帯域保証タイプや帯域占有サービス、 FAXゲートウェイサービス ダイレクトコネクトサービスなどを提供する。パケット通信単価を従来の1/4以下となる。その他の機能として最大200ユーザに対して、音声、FAX、メール等にて一斉同報なども対応する。また本サービスに対応するため衛星可搬端末01の発売を開始した。それに伴い2000年(平成12年)3月より提供されている、最大64kbpsのパケット通信サービス「衛星パケットサービス」は、2012年(平成24年)3月31日で終了した。
出典:wikipedia
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