湊線(みなとせん)は、茨城県ひたちなか市の勝田駅から旧那珂湊市街を経由して阿字ヶ浦駅とを結ぶ、ひたちなか海浜鉄道の鉄道路線である。旧称の湊鉄道や湊鉄道線と案内されることがある。全駅がひたちなか市内にある。那珂湊駅までは、那珂川北岸から少し離れた所を通り、那珂湊駅から阿字ヶ浦駅までは海岸沿いを通る。1990年度までは海水浴シーズンに東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線上野駅から臨時急行「あじがうら」が阿字ヶ浦駅まで乗り入れていた(後に快速になり、我孫子駅からに短縮されたり、水戸線小山駅や水郡線からの運転になった。一時期は水戸駅で大洗駅行きの「おおあらい」との分割併合もあった)。2008年3月31日までは茨城交通の路線であった。2005年12月に、茨城交通は地元ひたちなか市に対して、赤字で経営状況が厳しいため2008年3月で廃線にする意向を示し、ひたちなか市は、財政支援も視野に存続を目指すと、2006年9月に報道がなされた。茨城交通は支援を受ければ赤字の解消や老朽化した施設の改善が可能として2007年3月31日に廃止届の提出を当面見合わせると発表した。設備更新には国の鉄道軌道近代化設備整備補助制度を利用し、その事業者負担分も市が負担する方針が示され、茨城交通の鉄道部門を別会社に分離することになった。当初市は茨城交通100%出資の子会社の設立を求めていたが、過半数の株式を保有することで連結子会社となると不採算部門から撤退することにならず茨城交通が難色を示したため、運営会社は第三セクター会社として市も出資して経営に参画することになり、同年9月27日に最終合意した。2008年4月1日、湊線はその運営会社として設立されたひたちなか海浜鉄道に移管された。地元の支援も手厚く、2008年度はひたちなか市が湊鉄道線存続支援事業として199,521千円(内訳:出資金90,000 千円 貸付金40,000 千円 鉄道近代化等補助金57,218 千円 基金積立金11,000 千円)を支出している。勝田駅 - 阿字ヶ浦駅間の直通運転が約30 - 40分間隔で、阿字ヶ浦駅の平日の始発は4時台と早い。勝田駅 - 那珂湊駅間の区間運転が平日朝夕中心(土曜・休日を含めての運行は夕方1往復と勝田発23時台の下り最終のみ)と土曜・休日の始発列車(平日は阿字ヶ浦発として運転)として1本ある。朝5時台の下り始発と23時台の上り最終は那珂湊駅 - 阿字ヶ浦駅間の運行である。全列車が各駅停車である。朝のラッシュ時は2両編成(学校が休みの期間は1両で運行)、それ以外の時間は1両編成となる。2010年4月6日から全列車がワンマン運転となった。多客期などは3両編成で運行されることもある。以前は4両編成もあった。1963年までは水戸駅までの直通運転もあった。1990年度まで夏季に国鉄・JR東日本常磐線上野駅からの直通運転もあったため、新駅である高田の鉄橋駅を除き、各駅のホームは、国鉄・JRからの長大編成の列車が停車できる長さになっている。夜間滞泊は那珂湊駅のみで行っている。このため、平日朝4時台には那珂湊発阿字ヶ浦行きの回送列車が運行されている。列車交換は原則那珂湊駅のみだが、2010年9月1日のダイヤ改正で増発された勝田駅 - 那珂湊駅間の区間列車との交換は金上駅で行われる。2009年3月14日のダイヤ改正以前は、最終列車が早く、阿字ヶ浦発勝田行きが21時台、折り返しの勝田発阿字ヶ浦行きが22時台で、ほかに22時台に阿字ヶ浦発那珂湊行きの列車が設定されていた。また、2010年3月13日のダイヤ改正以前は始発の1往復が土曜日・休日は運休であった。この改正で全日同一のダイヤとなったが、同年12月4日のダイヤ改正で、土曜日・休日に運転しない列車が再び設定されることとなった。湊線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。湊線の近年の収入実績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。湊線の近年の営業成績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。茨城交通は「性能が安定し長寿命で故障が少ない」としてコピー品も含め日本全国からキハ20系気動車をかき集めてきた。1990年代後半に入ると同系で状態の良い稼働車が出ることがほとんどなくなったため、新製車の導入に移行した。原則として、平日と日曜は旧型と新型1編成ずつ、土曜日は新型のみでの運行となっていたが、2009年8月のミキ300形導入以降、日曜日でも新型のキハ3710形・キハ37100形およびミキ300形のみで運行されることが多くなり、キハ20タイプの旧型気動車は徐々に一般運用の機会が減少した。さらにキハ11形導入により、2016年現在旧型車は1両のみとなり、イベントを中心に稼働するようになっている。なお、土曜・日曜の車両運用は、ホームページに掲載されている。ひたちなか市は、終点の阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園の南側を通って公園西口付近を終点とするルートで延伸を計画している。市企画調整課は「正式決定ではないが、今回示した案をメインに考え、意見をいただきたい」と説明している。運行開始は、2024年度の予定。
出典:wikipedia
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