フランス第五共和政(フランスだいごきょうわせい、)は、1958年にシャルル・ド=ゴール将軍がアルジェリア戦争を背景に第四共和政を事実上打倒し、新たに作られた現在のフランスの共和政体。第四共和政に比べて立法権(国民議会)の権限が著しく低下し、大統領の執行権が強化され、行政・官僚機構が強力なのが特徴。第四共和政同様、憲法には基本的人権に関する条文がないが、前文において「1946年憲法で確認され補充された1789年宣言によって定められたような、人権および国民主権の原則に対する愛着を厳粛に宣言する」と定め、憲法第7章に基づいて設置された憲法評議会が「人間と市民の権利の宣言」(1789年宣言)と第四共和政憲法前文に基づいて違憲立法審査権を行使している。なお第四共和政憲法前文において新たに宣言された人権規定としては、男女同権、労働の義務と職業を得る権利、労働基本権と労働運動、社会保障、公教育の無償化と宗教からの独立などがある。大統領は以下のような権限を付与されている。大統領は直接、有権者の投票により選出され、その任期は7年と先進国の中でも極めて長いものであった。ただし、2002年の憲法改正により、大統領任期は5年に短縮されている。これは国民議会の任期とも同じであり、大統領選挙を国民議会選挙と同時期に行うことで、後述するコアビタシオンを生じにくくすることもその目的の一つに挙げられる。大統領以外に国民議会(下院)の議決により選出される首相が設けられている。首相の選出は国民議会における政党の勢力によって決まるので、大統領の出身政党と首相が所属する政党が異なる場合がある。フランソワ・ミッテラン大統領(フランス社会党)の時代のジャック・シラク首相(保守、1986年 - 1988年)とエドゥアール・バラデュール首相(保守、1993年 - 1995年)、シラク大統領の時代のリオネル・ジョスパン首相(フランス社会党、1997年 - 2002年)のケースで、特に左右の異なる指導者が大統領と首相に就くことを「コアビタシオン」と呼ぶ(コアビタシオンとは本来は「同棲」を意味するフランス語)。現憲法では大統領と首相の役割については明記されておらず(慣習的に大統領は外交を、首相は内政を担当するとされている)、時として政策をめぐる対立も生じている。大統領の所属する政党の支持率が高い場合は、大統領は国民議会を解散し、国民議会選挙で過半数を得られれば、コアビタシオンを解消することができる(ミッテランの就任直後に実例あり)。ただし、支持率が低迷しているときは、コアビタシオンが長期化し、政権の弱体化を招くケースが多い。
出典:wikipedia
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