株式会社電通()は、日本の広告代理店である。本社所在地は東京都港区東新橋一丁目汐留シオサイトにある電通本社ビル。代表取締役社長は石井直。1901年(明治34年)、光永星郎によって設立された「日本広告」を前身とする。1907年(明治40年)、やはり光永によって設立されたニュース通信社「日本電報通信社」と合併。1936年(昭和11年)、国策によりニュース通信部門を同盟通信社に譲渡し、広告代理店専業となる。1947年(昭和22年)に連合国軍最高司令官総司令部により公職追放された上田碩三の後任として吉田秀雄が第4代社長に就任し、広告取引システムの近代化に努めた。軍隊的な社則「鬼十則」を作るなど、電通発展の礎を築いた。1984年(昭和59年)のロサンゼルスオリンピックよりスポーツイベントに本格参入。以降、スポーツイベントでの業務拡大が続く。1986年(昭和61年)には日本放送協会(NHK)との肝いりで、NHKの子会社である株式会社NHKエンタープライズ25%、電通25%の共同出資による株式会社総合ビジョンを設立したが、これは諸般の事情により2013年7月1日付けでNHKエンタープライズに吸収合併される形で解散した。2001年(平成13年)11月30日に株式を上場した。広告代理店として単体では世界で最大(グループとしては5位)の売り上げ規模であり、連結売上高は2兆円を超える(2008年3月期決算による)。国内2位の博報堂の売上高の約2倍、3位のADKの売上高の約4倍と、名実ともに日本最大の広告代理店であり、「広告界のガリバー」の異名を持つ。その圧倒的なシェアゆえ、市場の寡占化が問題視され、 2005年(平成17年)には公正取引委員会が調査を開始し、調査報告書において電通の広告業界における寡占化の進行の事実を指摘した上で「公平性、透明性の確保が必要」と結論づけた。近年は欧米の広告グループとの提携に力を入れており、2000年(平成12年)には、アメリカ合衆国の「レオ・バーネット」などと共に、広告会社グループ「bcom3」を結成。2002年(平成14年)以降は、レオ・バーネットを買収したフランスに本拠を置く世界有数の規模を持つ広告代理店「パブリシス」グループと資本提携関係にある。1987年(昭和62年)に制定された「CED」の5番目の社章は「Communications Excellence DENTSU -卓越したコミュニケーション活動を」を表しており、2002年(平成14年)12月まで使用された。現在使用されている「dentsu」の社章は2002年(平成14年)12月の汐留移転を機に制定された6代目である。政財界・芸能界等の有力者子弟を社員として多く採用している。第二次世界大戦前より、新入社員の敢闘精神を養うことを目的として「電通富士登山」が毎年行われている。4代目社長吉田秀雄により1951年(昭和26年)につくられた電通社員の行動規範。現在でも社員手帳に記載されており、電通の労働体質の背景になっているとされる。4代目社長吉田秀雄によりつくられた。現在は使われていない。1970年代、電通PRにより提唱されたとされる。アニメ製作は従来アサツー ディ・ケイや読売広告社が強く、電通はあまり力を入れてこなかったが、21世紀に入り、パイオニアLDC(現ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)を買収(2008年にNBCユニバーサル傘下企業に売却)するなど積極的になってきている。電通が製作しているテレビ番組内で放映されている15秒間のテレビコマーシャル。『テレビドガッチ』も参照のこと。1991年8月、入社して2年目の24歳の男性社員が自殺したことを受け、遺族は電通に対して「社員の安全配慮義務を怠った」として損害賠償を請求する裁判を起こした。1996年3月、東京地裁は長時間労働と睡眠不足により社員がうつ病になり自殺したと認定し、電通に対し1億円を超える損害賠償を遺族に支払うよう命じた。判決では、酒席で上司から靴の中に注がれたビールを飲むよう強要されたり、靴の踵で叩かれるなどの事実も認定された。1998年8月には東京中央労働基準監督署が本件を労災として認定した。2000年3月、最高裁は使用者には労働者の心身を損なうことがないよう注意すべき義務(安全配慮義務)があることを明らかにし、電通が遺族に1億6800万円の賠償金を支払うことで結審した。この事件は日本の過労自殺のリーディングケースであると言われる。2010年、大阪市中央区のコンサルタント会社『インベストメント・パートナーズ』が、高利回りがあると虚偽の勧誘をして多額の現金を集めた出資法違反事件の共犯として、元電通社員の男性(同志社大学ラグビー部OB)が大阪府警に逮捕された。2010年、槍ヶ岳でのテレビCM撮影を巡り、ヘリコプターを使用し登山者に迷惑をかけたとして、環境省は電通、日清食品、葵プロモーションの3社に文書指導を行った。環境省はヘリによる撮影の自粛を事前に求めていたが、担当者が撮影を強行し、撮影中の約30分間、一般登山者の山頂への立ち入りを無断で拒んでいた。2011年、電通の元部長が在職時の2008年10月頃に「イベント制作費を前払いすれば、5%上乗せして返済する」と持ちかけ、知人が経営する会社から約1億6000万円をだまし取った疑いで逮捕された。2015年8月、ベルギーのリエージュ劇場のロゴデザイナーが、佐野研二郎による2020年東京五輪のエンブレムのデザインは自作の盗作であるとして、IOCを相手取りベルギーの裁判所にエンブレムの使用差し止めを求める訴訟を起こした。この中で、東京五輪組織委員会に出向し、クリエイティブディレクターとエンブレム審査員を務めていた電通社員の高崎卓馬が、佐野が制作した原案を2度にわたり修正した上で審査に推薦したことが明らかになり、選考の公平性に疑惑が生じた。さらに、組織委員会に出向し、マーケティング局長を務めていた電通社員の槙英俊らの判断で、公募前に佐野研二郎を含む国内の8人のデザイナーに応募を要請していたことや、彼らの作品を2次審査に残すための不正が行われたことも明らかになった。こうした一連の騒動から佐野によるエンブレムは白紙撤回され、高崎と槙も組織委員会への出向を解かれ事実上更迭された。パナマの法律事務所によって作成された租税回避行為に関する機密文書『パナマ文書』に、『DENTSU SECURITIES INC.』という電通に類似した名称の会社が見つかったことから、租税回避に関与しているとの疑惑が生じた。電通はこの会社との関係を否定し、朝日新聞は一連の疑惑を「風評被害」であると報じた。2016年5月、英・ガーディアン紙が2020年東京五輪招致における裏金疑惑を報じ、その中で電通の関与を指摘した。記事によると、東京五輪開催決定に関し、日本の招致委員会はシンガポールのコンサルタント会社『ブラック・タイディングス』の銀行口座に7月と10月の2回に分けて計200万ユーロ(約2億4800万円)を振り込んでおり、この資金が当時の国際オリンピック委員会委員であるラミーヌ・ディアックへ渡ったとされる。この口座を所有する『ブラック・タイディングス』のコンサルタントは、電通の子会社とされるスイス・ローザンヌの『アスリートマネジメント・アンド・サービス』(Athlete Management and Services)社のコンサルタントも務めていた。日本オリンピック委員会の調査チームによると、『ブラック・タイディングス』のコンサルタントから招致委員会に対して業務の売り込みがあり、電通からも同社のコンサルタントがラミーヌ・ディアックと繋がりがあるとの情報提供を受けたことから契約に至ったが、招致委員会はこの取引が贈与にあたると認識することができたとは認められないとし、違法性はないと結論づけた。電通は、「知る範囲内の実績を伝えただけであり、招致委員会と『ブラック・タイディングス』の契約について関与していない」と述べ、『アスリートマネジメント・アンド・サービス』社についても出資関係を否定した。2016年9月、インターネット上に掲載する広告について、契約通りに掲載しなかった上、約111社に対し広告料計約2億円を不当に受け取っていたことが明らかになった。不正の発覚は広告主であるトヨタ自動車からの指摘で明らかになった。2015年12月、電通の社員でインターネット広告を担当していた当時24歳の女性が社員寮から飛び降りて自殺した。この女性社員は、同年10月9日からの1ヵ月間だけで見ても、時間外労働がその前の1ヵ月間の2.5倍に当たる約105時間に達していた。三田労働基準監督署はこの女性について、2016年9月30日付で労働災害と認定し、労災保険を支給することになった。女性社員が自殺する4ヶ月前、電通は三田労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告(行政指導)を受けていたが、その後も違法な時間外労働が常態化していたとみられる。この件に関連して東京労働局は2016年10月14日に、電通本社のほか、関西支社・京都支社・中部支社の3支社も、労働基準法に基づき強制調査を実施した。
出典:wikipedia
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