ベテルギウス(Betelgeuse)は、オリオン座α星、オリオン座の恒星で全天21の1等星の1つ。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンともに、冬の大三角を形成している。M型の赤色超巨星。また、変光星でもあり、星自体の形状が変化する脈動変光星、中でも半規則的に変光するSRC型に分類されている。これらの特徴から主系列星を終えた進化段階にあると考えられている。星座中最も明るいとされるバイエル符号αが付けられているが、極大期を除いてβ星のリゲルより暗い。2008年になり、定説となっていた約427光年という推定距離が大幅に改められ約642光年となった。ベテルギウスの変光は、1836年にジョン・ハーシェルによって発見され、2016年現在の変光範囲は0.0等 - 1.3等となっている。肉眼で観測できる数少ない変光星の一つであり、北半球における冬(南半球では夏)の半規則型変光星の中では、最もはっきりとした変光を示す。北半球における冬(南半球では夏)に見える半規則型変光星には、他にオリオン座W星やうさぎ座RX星、いっかくじゅう座V523星などがあるが、3個ともベテルギウスほどはっきりした光度変化は見られない。ベテルギウスを太陽系の中心に置いたとすると、火星軌道を大きく超え、木星軌道の近くまで達する。また、ベテルギウスは地球からの見かけの大きさ(視直径)が太陽を除いて全天で最も大きい恒星である。1920年にアルバート・マイケルソンとフランシス・ピーズはウィルソン山天文台の2.5m反射望遠鏡に干渉計を取り付け、その視直径が約0.047秒であることを見出した。これは、400km離れた所に置いた野球ボールと同程度である。1970年代にはスペックル干渉法によって、ベテルギウスの実際の星像を得ることに成功している。1995年にはハッブル宇宙望遠鏡により、太陽以外の恒星では初めて(干渉法を用いないという意味で)直接その姿が撮影された。ベテルギウスが主系列星の段階に入ったのは約1000万年前と推定されているが、質量の大きな恒星ほど核融合反応が激しく進行するため短命な一生となる。ベテルギウスの質量は太陽の約20倍もあり、かつ脈動変光するほど赤色超巨星として不安定であることから、地球周辺でII型超新星爆発を起こすであろう赤色超巨星の一つに挙げられている。2009年の観測では、15年前の測定時と比べて15%も小さくなっており、しかも加速的に収縮しているらしいことがわかった。また2010年1月のNASAの観測で、ベテルギウスが変形している事が示された。これは、ガスが恒星表面から流出し表面温度が不均一になるなど、星自体が不安定な状態にあることを意味し、さらに近年の観測や研究により、その形状は球形ではなく、大きな瘤状のものをもった形状であるとされている。しかしながら、これらの観測結果が直ちにベテルギウスの超新星爆発の前兆現象を示しているかは定かではない。ベテルギウスが超新星爆発をする際には地球にも何らかの影響を及ぼすであろうと言われていた。これは、ガンマ線により、オゾン層が傷つき穴が空くか消滅し、地球および生命体へ有害な宇宙線が多量に降り注ぐとされているからである。しかし近年の研究により、超新星爆発の際のガンマ線放出については、恒星の自転軸から2°の範囲で指向性があることがわかっている。実際、NASAのハッブル宇宙望遠鏡でベテルギウスの自転が観測され、その結果ベテルギウスの自転軸は地球から20°ずれており、ガンマ線バーストが直撃する心配は無いとされた。ただし、超新星爆発時のかなり大きな質量変動とそれに伴う自転軸の変化が予想できないこと、ガンマ線放出指向性の理論的・実験的な根拠がはっきりしないことから、直撃の可能性について確実なことは知られていない。超新星爆発した際の明るさについては、SN 1054と同規模の爆発と仮定すると、地球からベテルギウスまでの距離は、かに星雲までの距離のほぼであるため明るさは100倍程度と概算できる。SN 1054は-6等級以上の明るさだったと推定されるので、100倍だと-11等級を超える明るさとなる。これは半月よりも明るく、数日間は昼でも小さい点として輝いて見える。ある予測では、4か月ほど明るさを維持したまま青白色から赤色へ色が変化し、その後急速に減光して4年後には肉眼でも見えなくなるであろうという。爆発後はブラックホールにはならず、中性子星となると考えられている。中国では参宿第四星()。ベテルギウスの和名は「平家星」(へいけぼし)とされている。この和名は源平合戦にちなむ紅白に由来するものだが、当初は現在と逆の解釈があった。岐阜県において、平家星・源氏星という方言が見つかっている。これは1950年に野尻抱影に報告された方言であり、ベテルギウスの赤色とリゲルの白色を平家と源氏の旗色になぞらえた表現に由来したと解釈されている。野尻は農民の星の色を見分けた目の良さに感心し、それ以後は天文博物館五島プラネタリウムで解説する際には、平家星・源氏星という名称を使用するようになった。天文誌、図鑑、野尻抱影や藤井旭の著書をはじめ、多くの本で、ベテルギウスの和名を「平家星」と特定した上で、岐阜の方言であるとしている(ただし、岐阜県の揖斐郡横蔵村(現揖斐川町)においてベテルギウスを源氏星とする村の古老が一名いたことが野尻抱影によって紹介されており 、民俗学の見地から異論を唱える研究者もいる)。増田正之は1985年に、富山県高岡市の市立伏木小学校において、ベテルギウスを平家星とした方言を見つけている。また、滋賀の虎姫(現・長浜市)でベテルギウスを金脇(きんわき)とする方言が発見されている。これは、オリオン座の三つ星の脇にある関係とベテルギウスの金色とリゲルの白色とを見分けた表現から来ている。このように星を色で見分けた表現は、世界的に類を見ないと言われている。その他、ベテルギウスが含まれたアステリズムの方言はベテルギウス関係の方言を参照。
出典:wikipedia
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