宇宙世紀の企業(うちゅうせいきのきぎょう)では、ガンダムシリーズに登場する架空の企業またはその他の組織について説明する。ガンダムシリーズに登場する企業の設定は大きく二つに分類される。一つは、劇中に兵器メーカーという概念がなかった『機動戦士ガンダム』のテレビ放映終了後、同人誌とそれを基にしたムックでの有志による「設定のお遊び」から発生し、ガンプラブームに合わせて既成事実化していった(当時は)非公式なもの、もう一つは、制作スタッフにより設定されるなどして劇中に登場する公式なものである。今日のガンダムシリーズで使われるミノフスキー粒子に関する多くの設定、AMBAC、オールレンジ攻撃などといったSF考証部分、そしてここで取り上げる企業の幾つかは、河森正治や美樹本晴彦、後のガンダムシリーズに設定考証として参加する森田繁など、スタジオぬえメンバーの所属したサークル・SFセントラルアートによる同人誌『Gun Sight』によって、後日創作されたものである。これはしばらく後に、みのり書房発行の雑誌『月刊OUT』9月号増刊『宇宙翔ける戦士達 GUNDAM CENTURY』に発展、再編集され、さらに制作スタッフの異なるバンダイの『モビルスーツバリエーション』に(許可を得ることなく)取り入れられていき、最終的にはテレビゲームやアニメに登場、ついにはサンライズの公式設定となっていった。シリーズ第2作目『機動戦士Ζガンダム』ではアナハイム・エレクトロニクス社が劇中に登場し、単なる企業としての設定に留まらず、劇中の各勢力に対して影響を及ぼす組織として描かれている。ジオン系の企業は、ドイツ語風の発音で呼ばれることが多い。ジオニック社(ZEONIC)は、ジオン公国に本社を置く機械メーカーで、史上初めてモビルスーツという兵器を開発した会社。しかし、一年戦争終戦後はアナハイム・エレクトロニクス社に吸収合併されている。ジオニック社は比較的基礎研究に秀でており、ザク・マリンタイプ以前の試作である水陸両用機やMS-06Rの宇宙用高機動機、グフ飛行試験型で地上用高機動機、ゲルググでMS用ビームライフルといった兵器を試作していた。代表的な製品としてザク、グフ、ゲルググなどが挙げられるほか、戦車(砲塔の一部にツィンメリット・コーティング処理有り。名称不明)やザクマシンガンなども製造していた。ツィマッド社(ZIMMAD)は、ジオン公国のモビルスーツ開発、製造に携わる企業で、ジオニック社、MIP社と共に公国の重工業を支えた。モビルスーツの推進装置の開発を得意としていた。その中でもEMS-04ヅダに搭載された土星エンジンが有名であるとされる。初期のモビルスーツ開発競争では、ジオニック社、MIP社と競合していた。主力機としてEMS-04ヅダを提出したが、ジオニック社のザクI(旧ザク)に敗れる。ザクIが歴史上初の量産型モビルスーツとして開発されて以後は、同社とのOEM生産など協力姿勢を取り、得意の推進装置分野で活躍した。その技術力を買われて、地上でのホバーリング移動のため強力な推進装置が必要だったドムの開発および生産を一手に任されている。また水陸両用モビルスーツゴッグを開発し、初の本格的水陸両用MSと評価されたが、MIP社がズゴックの開発に成功するとその高い性能から一気にシェアを奪われることとなる。次期宇宙戦用暫定主力機開発の折りにはジオニック社の高機動型ザクIIに対してドムの改良型リック・ドムを提出し、見事制式採用された。一年戦争後期には、ジオン公国が次期汎用型主力モビルスーツの開発を決定。ジオニック社がゲルググを開発する一方で、ツィマッド社はギャンの開発に成功する。しかし、ジオン軍による査定の結果、ゲルググの方が汎用性が高いとの理由から、ツィマッド社のギャンは開発競争に敗れてしまう。他にもマゼラアタックのマゼラ・トップ砲やモビルスーツ用バズーカも製造していた。一年戦争終結後は一部アナハイム・エレクトロニクス社に合併、ジオン共和国の保有するモビルスーツの保守や改良などを請け負う。MIP社(エム・アイ・ピー)は、ジオン公国の兵器メーカーで、ジオニック社、ツィマッド社と共に公国の重工業を支えた。新型機動兵器のトライアル用にMIP-X1を開発。これはAMBAC用のアームを持った、後のモビルアーマーの始祖といえる機体であったが、ザクの前身であるジオニック社の試作機に敗れ不採用となった。しかしMIP社はビーム兵器の開発に早くから取り組んでおり、これを搭載するモビルアーマーや水陸両用モビルスーツの開発・生産を行っている。また、他社のモビルスーツのライセンス生産を行っていたという説もある。主な開発機は、ズゴック、アッザム、ザクレロ、ビグロ、ヴァル・ヴァロなど。一年戦争終結後は一部アナハイム・エレクトロニクスの子会社となった。これも同人誌やムック『ガンダムセンチュリー』が初出であり、ジオニックやツィマッドに比べるとマイナーではあるが、『ギレンの野望』にてモビルアーマー系列の軍需企業として登場する。また『機動戦士ガンダム MS IGLOO』公式サイトでのビグ・ラングの設定には、ビグロがMIP社製であることが明記されているが、劇中に社名は登場していない。スウィネン(ZWINEMN)、または「スウィネン社」は、一年戦争中にアッガイを開発したMS開発メーカー。アナハイムもしくはジオニックの関係企業として扱われる。もともとは個人サイトが創作した設定だったが、経緯不明ながら2003年発行の『機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイム・ジャーナル』に掲載された。それ以外の資料ではほとんど言及されてこなかったが、2014年に曽野由大の漫画に登場し、その内情が描かれている。元々のウェブサイトの用語集では土木・作業機器を開発していたメーカーで、アッガイ以外にもギガンやアッグも開発しているという設定だった。「スウィネン」は、個人のウェブサイト「生まれてきてすいません」で90年代末までに創作されたものである。ウェブサイトの知名度は高かったが、公式設定に準じたものではない。後に2003年エンターブレイン発行の書籍『機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイム・ジャーナル』の付録ポスターに「スウィネン」のロゴと、アッガイの開発を行ったメーカーとする設定のみが掲載され、アナハイムの関連企業であるように扱われた。掲載は無断で行われたものと思われるが、この詳細な経緯は明らかとなっていない。『アナハイムジャーナル』は公式設定集とされているが、内容の全てが公式設定として扱われるものかは不明で、これ以降に発表されたプラモデル「MGアッガイ」の解説書などの主要資料でもアッガイのメーカーはジオニック社と設定され、スウィネン社の存在を記述しているものはほとんどなかった。しかしながら『アナハイム・ジャーナル』でデザインされたZWINEMNのロゴは、他メーカーのロゴとともにガンダムシリーズのオフィシャルショップなどで見られることもあった。2014年に曽野由大の漫画『アッガイ開発物語』に、ジオニック社のヨハン・スウィネンという人物が登場。その直接の続編である『アッガイ博士』で、ヨハンは最近ジオニックに買収された「スウィネン社」の社長であることが明かされた。元サイトの設定と異なり、スウィネン社はレジャーボートなどを手がけていたベンチャー企業とされており、アッガイの開発のほかキャトルの改良も行っている。ハービック社(HERVIC)は、地球連邦軍の航空機、特に高高度戦闘機の開発、受注を行っていた。MS登場後はコア・ファイターやGファイター、コア・ブースターなどMSの支援及び変形してMSのコックピットになる戦闘機やMSを輸送する爆撃機などの開発と受注を行った。宇宙世紀0082年6月、アナハイム・エレクトロニクス社に買収されAEハービックとなった。主な製造機はセイバーフィッシュ、TINコッド、コア・ファイターなどである。一年戦争終結後、ガンダム開発計画で開発された、ガンダム試作1号機は、コア・ブロック・システムが搭載されているが、これはハービック社を買収したアナハイムが、この会社のノウハウを使ったものである。このメーカーは『モビルスーツバリエーション』が初出であり、今のところ映像作品には登場していない。ヴィックウェリントン社は、地球連邦軍の航空機を主に開発、地球連邦軍に戦闘機を卸していた兵器会社である。『モビルスーツバリエーション』に登場。艦船やMSも開発している。地球連邦軍は1社独占での開発でまかせずに兵器製造をすることを昔から行っていた様である。地球連邦軍と関連があった他の企業と言えばハービック社とアナハイム・エレクトロニクス社が挙げられる。航空機市場ではハービック社と争っていたが、MS市場ではアナハイム・エレクトロニクス社と争っていた。後にハービック社がアナハイムに吸収されてからはMS市場でもかなり離されてしまうが、相変わらずの受注は受けていた様である。高級な試作機(ガンダムタイプ)には手を出さず、量産機(戦闘機、SFS、ジム系モビルスーツ等)を取り扱う経営を行っている。しかし、『モビルスーツバリエーション』によれば、一年戦争以前から地球連邦軍の兵器発注の大半を請け負っていたのはヴィックウェリントン社であるとされることから、ジム系モビルスーツに関してバリエーション開発に資金を投入して新規開発を行い資金効率を上げ、地球連邦軍の兵器大半を請け負う経営力を付けていったと思われる。しかしハービック社がアナハイム・エレクトロニクス社に吸収合併されてからは、航空機分野でもアナハイムと競争することになる。グリプス戦役以降、アナハイムが出資したエゥーゴが地球連邦軍の実権を握ったところから、地球連邦軍の大口受注がアナハイムに流れるようになった。しかし、OEM生産によりMS部門は縮小しながらも維持している。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場するラー・カイラム級戦艦はヴィックウェリントン社により設計・建造されたとする情報が存在。ブラッシュ社は、主にガンダム、及び陸戦型ガンダム等が装備したビームライフルの開発を行っていたとされる企業。ただし陸戦型ガンダムのビームライフル(型式番号XBR-M-79E)の照準センサーはボウワ社製。その他にハイパーバズーカやジム・スナイパーが装備したロングレンジ・ビームライフルなどの開発も行った。一年戦争終結後はアナハイム・エレクトロニクス社に買収され、同社の系列企業になった。CDシネマ『ルンガ沖砲撃戦』においてガンダム試作1号機フルバーニアンが使用したロングレンジの大型ビームライフル(型式番号:Blash・XBR-L-83d)をボウワ社と共同開発している。ヤシマ重工(YHI)は、陸戦型ガンダムや陸戦型ジム等が装備した100mmマシンガンやロケットランチャー、ミサイルランチャー及び180mmキャノンの開発を行っていたとされる企業。(各種兵装の詳細は陸戦型ガンダムの項を参照のこと)最大の特徴はYHIが当時提唱していた可搬型兵器構想という、陸戦型ガンダム背部に装備するウェポンラックに作戦に応じてMSのみで各装備を組立、分解、収納、携行を可能とし、MS単独で運用をできるようにした点である。なお、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で登場したヤシマ重工と同じ会社かは不明。ホリフィールド・ファクトリー・ウエポンズ社は、ジム・コマンド、ジム改等が装備したブルパップ型90mmマシンガン(型式番号HWF GMG・MG79-90mm)の開発を行っていたとされる企業。一年戦争終結後、上記マシンガンの構造を流用してジム・カスタム、ジム・クゥエルの装備した新型90mmマシンガン(型式番号HWF GMG・MR82-90mm、通称「ジム・ライフル」)を開発した。プラモデルのマスターグレード RGM-79C ジム改(スタンダードカラー)同梱のロングライフルも同社製の模様。宇宙世紀の公社には特定の政府が所持する会社である公社と、どこの政府にも与しない、つまりNGO(非政府組織)である公社の2種類の公社がある。
出典:wikipedia
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