直方駅(のおがたえき)は、福岡県直方市大字山部にある、九州旅客鉄道(JR九州)・平成筑豊鉄道の駅である。かつてはJRバスの自動車駅を併設していた。JR九州の筑豊本線と、平成筑豊鉄道の伊田線が乗り入れ、接続駅となっている。伊田線は当駅が起点である。また筑豊本線は愛称の「福北ゆたか線」の区間に含まれている。平成筑豊鉄道の駅については2009年4月1日に北九州市に本社を置く鉄道車両部品販売・グラフィック業者の藤本興業が命名権(ネーミングライツ)を取得し藤本興業 studiocanada 直方駅と呼称されている。直方市の代表駅であり、新飯塚駅と並んで筑豊本線の主要駅となっている。駅に隣接して、電車・気動車の車両区である直方運輸センターおよび乗務員区である直方運輸センター、それらを統括する筑豊篠栗鉄道事業部がある。直方駅は1891年(明治24年)8月30日に筑豊興業鉄道によって開設された。1899年(明治32年)から、筑豊地区の石炭輸送の拠点駅とするために拡張工事が行われて、筑豊炭田の各地からやってくる石炭車がここで行き先別に編成しなおされて送り出されるようになった。13本の仕分け線が設けられ、2つの出発信号機が設置されて若松・西八幡・上戸畑へと送り出されていた。ヤードには照明灯が設けられ、昼夜を分かたず列車を送り出す作業が行われていた。1910年(明治43年)3月には新駅舎が建設された。しかし、第二次世界大戦後はエネルギー革命により石炭の出荷が減少するようになり、筑豊地区では1958年(昭和33年)から石炭輸送が減少に転じた。これにより直方駅の作業も縮小されていき、1984年(昭和59年)2月1日に貨物取り扱いが廃止された。2001年には電化が完成して電車が発着するようになるなど、その後は旅客駅として機能している。2011年に解体された旧駅本屋は明治時代に建築されたものである。木造駅舎でネオ・バロック様式の駅舎としては供用停止時点で九州最古であった。正面の車寄せには古代ギリシャ建築で用いられるエンタシス風の柱が立つ構造だった。2006年、直方市が計画している駅周辺整備事業構想の中で駅舎の建て替え計画が浮上した。のち、市が2009年に策定した「中心市街地活性化基本計画」にもとづいて駅を中心とする約105ヘクタールを2010年から整備することとなった。このうち駅舎の改築についてはJR九州が、駅前ロータリーなどを市が事業化することとなり、駅舎については前記の通り、2011年4月29日に完成式典が行われ供用を開始した。一方、旧駅舎は歴史的価値があるとされることから、建て替え計画当初より市民有志により保存が提唱されていた。2011年1月から直方文化遺産研究会が行った署名活動に対して1万7千人あまりの賛同があり市に提出されたが、これに対しても市は、文化財的価値について調査ののち施設の一部を残し解体するとした既定方針を堅持している。最終的に旧駅舎は2011年10月に解体された。この駅舎は、初代の博多駅を移築したものであるという説があったが、直方市が島根大学総合理工学部の専門家に依頼して建築形式などを後世に残す目的で調査した結果では、明治期の資料に「新築」とあること、初代博多駅舎は吉塚駅に移築したという記録があること、木材の再利用の痕跡が見られなかったことなどから、博多駅舎を移築したものであるという説を否定した。これに対し、「文化的価値を考慮せずに解体したのは文化財保護法などに違反し、違法」として市民8人が市長を相手取った解体費用9000万円の返還請求を福岡地方裁判所に提訴した。福岡地裁は2013年11月26日の判決で、旧駅舎が初代博多駅の移築であるという原告側の主張を退けながらも「相応の歴史的価値や一定の芸術性がある」と認定したが、市側が保存の検討など最低限の努力義務は果たしたとして、原告側の請求を棄却した。だが皮肉なことにこれ以降直方駅周辺は急速に死んでいった。2016年8月にはサンリブが駅前で営業していたサンリブ直方を、建物老朽化とそれに伴う高額な耐震補強費用の点から閉店。北隣の新入駅近くに移転させ、ひらがなの「サンリブのおがた」として再出発させる。これにより直方駅周辺からは核となる商業施設が姿を消したため、直方市はまちづくりプランの見直しを迫られている。JR九州の駅について述べる。島式ホーム2面4線、平成筑豊鉄道は頭端式ホーム1面2線を有する地上駅である。ホーム、基本的に1番ホームと2番ホームが新飯塚、桂川、博多方面、3番ホームと4番ホームが折尾・黒崎・若松方面の乗り場として運用されている。直営駅で、みどりの窓口が設置されている。2011年4月29日に使用を開始した現駅舎は橋上駅舎となっており、2階建てで瓦葺風の柿渋色の大きな屋根が特徴である。約900平方メートルある駅舎の1階には7店舗が、2階には改札口など駅機能がそれぞれ設置されている。なお、駅舎のデザインはJR九州の車両デザインなどを多く手がける水戸岡鋭治によるものである。旧駅舎にはなかったエレベーターとエスカレーター、公衆便所が設置されており、バリアフリーに対応している。旧駅舎の時はJRと平成筑豊鉄道の駅が離れており不便であったが、新駅が平成筑豊鉄道の駅寄りに作られたことにより乗り換えの便が改善されている。また、直方市は須崎町土地区画整理事業・直方駅地区交通結節点改良事業として、駅周辺の大規模な区画整理などを行っている。2006年(平成18年)度から進められた駅周辺の整備事業が直方市により進められ、2011年(平成23年)4月に駅舎を改築された。駅舎建て替えと同時に直方市によって整備された駅前広場も、水戸岡鋭治の監修によるものである。2014年(平成26年)2月1日に東口に高速バスを除く路線バスの停留所とタクシー乗り場、自家用車用の乗降所の供用が開始された。2014年には地元直方市出身の元大関・魁皇の銅像が設置された。旧駅前ロータリーにあるモニュメント「太陽と月と川と」は1997年に設置された2代目のものであるが、駅前整備事業に伴って10メートルほど離れた交差点に移転する予定がある。なお、かつて設置されていたもの(炭坑夫の像)は、遠賀川河川敷に移設されている。2015年(平城27年)4月1日に西口の「山部口広場」が完成し、タクシー乗り場と駐車場などの供用が開始された。駅構内には複数の店舗が入居している。東筑軒が製造販売している。主な駅弁は下記の通り。各年度の1日平均乗降人員は下表のとおり。周辺は市の中心的な市街地となっているほか、市民ホール(ユメニティのおがた)・図書館・バスセンターなどが駅の近くに立地している。また、駅正面右手の「明治町アーケード」および、直方最大の商店街である「古町アーケード」も近い。駅正面から南へ10分ほど歩くと多賀神社、直方市石炭記念館、ギャラリーのぐち(雑貨・家具・陶磁器などの店舗が並んでいる)などが立地している。名勝・旧跡など官公庁・公共施設文教施設郵便局・金融機関交通医療機関直方駅周辺から発着するバスは、JR九州バス(直方線)が駅東口北側のJRバス直方駅(自動車駅、解体され現存しない)から、西鉄バス(西鉄バス筑豊)が駅東口南側の西鉄直方バスセンター(西鉄バス筑豊が管理するバスターミナル)から発着していたが、直方駅周辺整備事業の一環として2014年2月1日から駅東口ロータリーにバスのりばを設置し、JRバス・西鉄バスと直方市コミュニティバスの各路線の発着場所を集約した。ただし、西鉄バスの高速・特急・急行バスは従前どおり西鉄直方バスセンターから発車する。西鉄直方バスセンターは現駅舎からは道路を渡った正面にある(旧駅舎の時は駅本屋から約100m離れていた)。かつては西日本鉄道(西鉄)が設置したのち、西鉄およびその地域子会社である西鉄バス遠賀のバスが発着していたが、2003年のグループ再編で西鉄バス遠賀が西鉄バス筑豊に吸収合併したことに伴い、西鉄バス筑豊が同バスセンターの運営を継承している。福岡市や北九州市とを結ぶ都市間路線と直方市内と近隣を結ぶ路線の基点として、西日本鉄道系列のバスが乗り入れていたが、筑豊地区の人口減少およびモータリゼーションの進行、平成筑豊鉄道の開業などにより利用者の減少が進んだため、直方市内各方面や小竹町・飯塚市・北九州市折尾・旧赤池町(現福智町)・田川市方面への路線の多くが廃止となった。現在残る路線も末端区間が廃止されるなど全体的に減量化が進んでいるが、イオンモール直方に乗り入れを開始するなど新規路線の開設も行っている。かつては直方市東部の内ヶ磯や市南部の武谷、赤池町(現 福智町)の赤池・上野峡への路線もあったが、これらは自動車駅廃止前に路線が廃止された(このうち内ヶ磯への路線は西鉄バス筑豊に譲渡)。自動車駅廃止直後は駅前に仮設したのりばから発着し、2011年9月17日からは乗り場が一旦西鉄直方バスセンター内に移転(降車場は県道直方停車場線の路上に設置)し、2014年2月1日より乗り場を駅前広場ロータリー内へ変更している。長年にわたり全便が西鉄直方バスセンター内から発着していたが、2014年2月1日より高速・特急・急行バスを除きJR九州バスと同様にのりばを駅前ロータリーに移転している。同日以降も高速・特急・急行バスは西鉄直方バスセンターで客扱いを行っている。西鉄直方バスセンターが終点となっている便の降車場所は、県道直方停車場線の路上に設けられた降車場となる。直方市の計画では高速・特急・急行バスについては駅前広場付近に発着所を設置する予定としているが、時期については明確にされていない。西鉄直方バスセンターの定期券発売所などの機能は2014年2月1日以降もそのまま残されていたが、2015年12月31日をもって、直方バスセンターでの全ての窓口業務が終了した(待合室等は利用可)。直方市コミュニティバスが発着する「直方駅前」バス停はJRバス自動車駅や西鉄直方バスセンターとは別の場所に設置されていたが、2014年2月1日よりJRバス・西鉄バス同様に駅前ロータリーに発着するようになった。
出典:wikipedia
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