名古屋本線(なごやほんせん)は、愛知県豊橋市の豊橋駅から岐阜県岐阜市の名鉄岐阜駅までを結ぶ名古屋鉄道(名鉄)の鉄道路線。豊橋駅 - 岐阜駅間の各都市を結んでいる。豊橋駅 - 神宮前駅間では国道1号、神宮前駅 - 名鉄岐阜駅間では国道22号にそれぞれほぼ並走している。運賃計算区分はA(運賃計算は営業キロをそのまま用いる)。すべての駅でmanacaなどの交通系ICカード全国相互利用サービス対応カードが使用できる。豊橋駅から平井信号場の区間は、名鉄と東海旅客鉄道(JR東海)がそれぞれ単線を所有し、同一線路を複線として共用することで名古屋本線とJR飯田線の列車が運行されている。名鉄は豊橋方面への単線を、JR東海は名鉄岐阜駅方面および飯田線の中部天竜方面への単線を所有している。両社の単線を共用する形となるため、当路線の豊橋駅への運行本数は毎時6本が上限で、最高速度は飯田線と同じ85km/hとされている。飯田線内で遅延が発生した時の復旧は飯田線を優先とするため、名鉄の列車が伊奈駅で運転を打ち切らざるを得ない場合もある。なお、架線使用料および電力費は列車本数の比率による独自の計算式でJRに支払われる。なお、この区間にある船町駅・下地駅はJR東海の専用駅で、名鉄の列車は停車しない。線内運転列車のほか、国府から豊川線、新安城から西尾線、神宮前から常滑線(空港線・河和線・知多新線方面)、枇杷島分岐点で犬山線(各務原線・広見線方面)、須ヶ口で津島線(尾西線方面)が分岐しており、多くの列車が直通する。これらの列車のほとんどが名鉄名古屋・金山方面に向けて運転され、枇杷島分岐点 - 金山駅間では、早朝・深夜を除き平均2 - 3分間隔(日中でも1時間に26本)の高頻度で列車が走る状態となっている。日中の運行パターンは以下のとおりである。各節において運行本数は特記なければ1時間当たりのもの。名鉄名古屋駅・名鉄一宮駅・名鉄岐阜駅の「名鉄」は省略。 豊橋駅 - 岐阜駅間では、下りは一部特別車の特急が、上りは一部特別車の快速特急が、それぞれ2本ずつ運行されている。そのほかに区間列車として、下りは名古屋止まり(休日に後述の西尾発が1本のみ運転)や須ヶ口止まり(平日に豊橋発と西尾発が1本ずつのみ運転)、上りは国府止まり(深夜に岐阜発の1本のみ)や伊奈止まり(平日深夜に2本、休日は1本のみで美合駅にも停車)や東岡崎止まりがある。基本停車駅での全区間標準所要時分は、名鉄名古屋駅を1分停車として、快速特急が79分(名岐間29分・名豊間49分)、特急が82分(名岐間29分・名豊間52分)である。快速特急・特急とも、朝や深夜は豊橋駅口で急行を補完するため、標準停車駅の他に伊奈駅や国府駅に停車する場合がある。また、平日朝ラッシュには一部の上り列車(特急のみ)が笠松駅または新木曽川駅を通過する。平日朝の岐阜発特急豊橋行きの3本は、鳴海駅にも停車する。2011年3月26日のダイヤ改正で平日のみ豊橋駅8時32分発岐阜行き特急は、改正以前は本線特急は通過だが、津島・佐屋方面特急の停車駅である須ヶ口駅にも停車する。2011年3月26日のダイヤ改正では名鉄名古屋駅23時57分発東岡崎行き全車一般車特急が設定されている。犬山線へ直通する特急として、豊橋駅 - 新鵜沼駅間に下りは一部特別車の快速特急で、上りは一部特別車の特急で、それぞれ2本ずつ運行している。この運行系統は1996年より豊橋方面から名古屋空港へのアクセスを目的として平日の朝に1本だけ走っており、豊橋方面から犬山線へ唯一直通する一部特別車特急として知られていた。2005年1月の改正で一旦廃止となったが、2007年6月の改正で時刻を多少変更して復活し、2008年12月の改正で大幅に増加している。休日朝のみだが新可児駅から豊橋方面へ直通する特急も3本設定されているほか、平日朝に犬山止まりが1本だけ設定されている。使用車両は上記豊橋 - 岐阜の系統と同じ。中部国際空港への連絡特急として、中部国際空港駅 - 岐阜駅間に全車特別車のミュースカイを1本(日中以外)、一部特別車の特急を2本運行している。2008年12月のダイヤ改正以前は昼間にも豊橋駅発着の列車が1時間あたり1本運行されていたが、中部国際空港方面より名古屋方面への利用者が圧倒的に多く、乗り換えの不便が目立ったためこれを廃止し、代わりに岐阜駅発着の列車を増発した(夕方以降にも設定)。中部国際空港駅 - 岐阜駅間の列車と豊橋駅 - 新鵜沼駅間の列車は、金山駅または神宮前駅で、ともに同じホームにて乗り換えが可能。ただし名古屋本線内のみを通しで乗車する場合以外は、以前のような短時間での接続は考慮されなくなった。総合すれば名古屋本線の一般車(自由席)を連結した快速特急・特急は15分間隔で運行されている。2011年3月26日のダイヤ改正より、従来運行されていた豊橋発中部国際空港行き一部特別車特急(2005年1月の改正で設定。駅配線の都合上金山駅で折り返していた)と名古屋駅 - 岐阜駅間の昼間のミュースカイが廃止され、この時間帯のミュースカイは中部国際空港駅 - 名古屋駅間の折り返し運転となった。また、深夜には常滑・空港線の上り名古屋方面と名古屋本線の下り一宮方面への最終列車を兼ねた中部国際空港発岐阜行きの全車一般車特急が設定されている。現在一部特別車特急は2200系と1700系で運転されている。なお、豊橋発着の列車は登場時が1200系、廃止時点では2200系で運転されていた。西尾線直通系統として、西尾駅 - 名古屋駅間(平日の西尾発は須ヶ口行き)の一部特別車の特急を1日1往復のみ運行している。1200系6両編成で運転される。かつてこの系統は全車特別車で佐屋駅または吉良吉田駅まで運行されており、1600系や1000系4両編成(以上は2008年まで)や8800系(2005年まで)や7000系(1999年まで)で運転されていた。2008年6月29日に実施のダイヤ改正で、朝の西尾発名古屋行きと夜間の名古屋発西尾行きの各1本が一部特別車化されたほかはすべて、快速急行(現在は急行。一部列車は西尾線内準急)に格下げされた(後述)。平日の朝には、豊川稲荷発岐阜行き快速特急・特急(2200系6両、各1本のみ。本宿駅と美合駅に特別停車)や、河和発岐阜行き(平日は1200系8両、休日は2200系6両)などの列車もある。いずれも一部特別車で運転される。金山駅 - 東岡崎駅では昼間でも混雑が激しいことがある。これは知立駅以東での最先着列車であることと知立駅での利用客が多いこと(実際三河線からの乗り継ぎ客も相当多い)が大きく影響している。名岐間では快速特急・特急は朝の特急の一部をのぞくすべてが新木曽川駅と笠松駅にも停車し、所要時間が29分 - 31分となっている。唯一両駅通過となるミュースカイも、名岐間は遅延余裕を加味し27 - 28分かけて走る。以上をまとめると、昼間時間帯に名古屋本線内でミュースカイ・快速特急・特急は以下の本数が運行されている(2011年3月26日改正時。ミュースカイのみ全車特別車で他は一部特別車。この記事に記載していない犬山線・常滑線直通列車を含む)。2008年12月27日のダイヤ改正より、名古屋本線神宮前駅以東で快速急行は設定されなくなった。豊橋駅 - 岐阜駅間と豊川稲荷駅 - 一宮駅間に、急行を各2本運行している。豊川稲荷駅発着の系統は夕方以降は大里駅にも特別停車、豊川稲荷駅 - 東岡崎駅間は準急となり、藤川駅と男川駅にも停車する。国府駅 - 東岡崎駅間を走る準急は豊川稲荷駅・国府駅 - 名古屋方面の列車が中心で、平日朝に1本だけ伊奈行きの列車が運転される。また、朝ラッシュ時に東岡崎駅 - 豊明駅間で運行される準急は東岡崎以東で急行や普通に種別変更を行う列車が多く、東岡崎駅をはさんで種別変更なく運行する準急は従来はなかったが、2011年3月改正で朝の上り1本が設定された。日中の豊橋・豊川稲荷駅 - 岐阜駅間の急行は鳴海駅(上りのほとんど)・前後駅(豊橋発岐阜行き)・堀田駅(豊川稲荷発一宮行き)で一部特別車の快速特急または特急に1回だけ追い抜かれる(朝ラッシュなどは終点まで抜かれないこともある。ただし豊川稲荷発の下りは国府駅で快速特急の通過と、豊橋行き急行が到着した後に発車。上りは岐阜発車時点で特急または快速特急のすぐ後に発車するため、神宮前駅までは抜かれない)。急行の運転時分は、待避時間をのぞくと豊橋駅 - 名古屋駅間が60分 - 64分、名古屋駅 - 岐阜駅間は最速31分だが大半は余裕時分が加わり35分前後かかるため、名岐間の表定速度はさほど高くない(このためJR東海道本線の普通列車より遅い。1990年代の最短記録でも現在の特急とほぼ同じ29分)。かつては新安城駅・豊明駅・新清洲駅などで特急を待避していたこともある。また、豊川稲荷発の列車は15時台以降の東岡崎以東における準急運転を考慮したダイヤとなり、再び堀田駅で特急を待避するようになったため、以前よりも神宮前駅 - 新清洲駅への到着時刻が8分程度遅くなった。平日の朝には、犬山線から豊橋行きや豊川稲荷行きも運転されている。また、朝ラッシュや深夜には豊橋駅や豊川線へは乗り入れない伊奈発着や国府発着や東岡崎発着の急行も運転されている。過去(1994年 - 2000年3月)には平日、休日ともに、夕方に豊橋駅 - 新可児駅・御嵩駅間および常滑駅 - 新岐阜駅(当時)間の急行が設定されていた。また、朝や夕方以降に、矢作橋駅に特別停車していたこともある(2003年まで)。豊橋駅・豊川稲荷駅発着の系統は昔から主に前後駅・栄生駅・大里駅などに特別停車することが多かった。2008年12月のダイヤ改正以降、特別停車はほとんど行われていなかったが、2011年3月ダイヤ改正では、後述の準急削減により、平日の日中に豊川稲荷発着系統で二ツ杁と有松の両駅で準急削減を補う特別停車が実施された。平日は8割以上、休日は9割以上の割合で6両編成で運転されるが、待避駅で増結または切り離しを行う列車もある。豊橋駅発着の列車は特急の間合い運用をのぞいて120km/hでの運転が可能な3Rと呼ばれる3100・3150・3300・3500・3700系が使用され(2008年6月29日のダイヤ改正時点ではそれまでの7000系や5700系の6両編成(最高速度110km/h)に代わって一部のみ5000系での120km/h運転も行われていたが2008年12月27日のダイヤ改正で豊橋駅に5000系は来なくなり、この系統はほとんどが3Rで運転されるようになった)。朝と夕方に限り一部の列車で8両運転もある(豊川稲荷行きが8両で運転される場合は、国府駅で後ろ4両を切り離す。かつては存在していたが、現在そのような列車はない)。早朝と深夜は平日、休日とも4両で運転される。以前はこれらの系統は主に7000・5700・5500系などのSR車で運転されていた。土・休日の豊川稲荷発は3Rと6000・6500・6800系(豊川線・尾西線ワンマン車両を含む)の6Rの6両編成が大半で運転されている。朝は特急への送り込み、深夜は特急からの折り返しのため、1200系や2200系での運転も行われている(ただし特別車は締め切り)。かつて主流であった2扉SR車(現在は少数派である5700系・5300系のみ)による本線急行は、2010年時点では早朝の国府発岐阜行き、深夜の岐阜発伊奈行きなど数本程度残っていたが、2011年3月ダイヤ改正でほとんど消滅し、本線上で見られる急行運用は早朝の名鉄一宮発中部国際空港行き快速急行、深夜に名鉄岐阜発着のごく一部の列車と、後述する西尾線 - 津島線系統一部列車の本線走行区間のみとなった。快速急行は朝の数本(神宮前行きと常滑・空港線に直通する一部の列車をのぞいて名古屋駅で急行などに種別変更する)のみ走っている。また朝と深夜には、ごくわずかに豊橋駅や伊奈駅を発着する準急も存在するが、平日朝の伊奈行き1本をのぞき東岡崎駅 - 豊橋駅間は急行に種別変更して運行している。現在は豊橋駅を発着する快速急行や準急は設定されていない。なお、豊橋駅を23時台に発車する2本の急行(名古屋行き(東岡崎駅から準急)と鳴海行き)は、ともに同駅停車の東海道新幹線下り「ひかり」の接続を取る時刻設定である。2本とも特急の折り返しで、名古屋行きが1200系、鳴海行きが2200系などの共に8両編成(特別車締め切り)を使用する。吉良吉田駅 - (急行) - 下りは神宮前駅、上りは名古屋駅 - (準急) - 須ヶ口駅 - (津島線内は吉良吉田行きのみ準急、佐屋行きは普通) - 佐屋駅間に2本運行しており、須ヶ口駅 - 名鉄岐阜駅間は日中準急の設定がない。原則として上下とも豊明駅に特別停車する。一部列車は西尾線内で準急となる(新安城駅までは停車駅は同じで、西尾線に入ってから南桜井駅にも停車)。夜の上り2本は西尾線に入らず新安城止まり(土休日の1本は豊明止まり)となる(22時台に新安城駅に到着する列車のみ終点で西尾線の普通吉良吉田行きへ接続)。平日の日中は後述の準急が運転されないため、本系統は神宮前駅以西は普通列車となり(上りは名鉄名古屋駅で種別変更)、弥富駅まで直通している。1998年までは蒲郡駅まで直通しており(末期は西尾駅 - 蒲郡駅間は普通列車)、現在はその名残で終点の吉良吉田駅で蒲郡線方面発着の普通ワンマン列車に接続する。また、2003年3月ダイヤ改正で前後駅が標準停車駅に加わる(1990年代初期に前後駅に特別停車していたこともある)。これ以前のダイヤでは夜間の一部は有松駅にも特別停車していた(西尾行きのみ。佐屋行きは通過)。呼続駅・桜駅・本笠寺駅・本星崎駅・左京山駅・有松駅・中京競馬場前駅の利用者を考慮して、昔から上下線とも鳴海駅で普通に接続し(上りは2003年3月改正時にも一部が前後駅で別の普通へ接続していた)、さらに知立駅で岡崎・豊橋方面発の特急から乗り換えでき、知立駅で岡崎・豊橋方面行きの特急へ乗り換えることができる。現在のダイヤでは豊明駅でも普通に接続する。主に3000系列・6000系系列によって運転されている。3000系列は2008年6月29日より入線し、12月27日よりごくわずかだが1380系や5000系も入線している。新安城駅2番線のホーム有効長の関係から全列車4両編成となっており、上下線とも基本的に新安城駅から須ヶ口駅まで快速特急を待避しない(ただし平日の昼間は二ツ杁駅で快速特急を待避する)ので、新安城駅 - 名古屋駅間では混雑することが多い。1992年までは西尾線内は普通列車で、1999年までは下りの一部は堀田駅で特急(現在の快速特急に当たる系統で、当時は知立駅も通過していた)を待避していたり金山行きや須ヶ口行き、津島行きなどになっていたこともあった。2008年6月のダイヤ改正以前に多数存在した西尾行きも夜間に1本だけ存在する。休日の夜には一部の列車は弥富発着となっている。2005年までこの系統は6000・6500系または5300・5700系で運転されていた。平日の朝には、犬山経由岐阜発普通吉良吉田行き(岐阜駅 - 名古屋駅間と鳴海駅 - 新安城駅間は急行で新安城駅から準急。豊明駅と北安城駅にも停車)と犬山経由岐阜発急行吉良吉田行き(新鵜沼駅までと新安城駅から普通)が各1本(列車種別は名鉄名古屋駅を発車時点)運行されている。豊明駅 - (準急) - 下りは神宮前駅、上りは名古屋駅 - (普通) - 佐屋駅間に2本運行しており、東岡崎駅 - 豊明駅間は、朝ラッシュと深夜をのぞいて準急の設定はない。かつてこの系統は三河線の猿投・碧南方面の直通列車であった(運転区間は主に碧南駅 - 弥富駅間。三河線内は普通に種別変更し各駅に停車)。三河線に直通していたころは、三河線内の刈谷駅 - 名古屋駅間で競合するJR東海道本線への対抗策として、特急増結用の1800系や7700系などのSR車による運行が主体で、碧南駅 - 名古屋駅間で先着するダイヤが組まれていた時期もある。この系統は昔から二ツ杁駅・栄生駅・有松駅に特別停車しており、2003年より標準停車駅に前後駅、特別停車駅に中京競馬場前駅が追加され、2005年1月のダイヤ改正時より準急と改称されて現在の停車駅となっている。2005年1月ダイヤ改正以前は名古屋方面から前後駅や豊明駅などへの利用者を考慮して、鳴海駅で普通東岡崎行きに接続していたが、現在鳴海駅で普通へは接続しない。その代わり前後駅で普通東岡崎行きに接続している(終点の豊明駅では同一ホームでの乗り換えができないため)。下りは起点の豊明駅で普通を待たせてから発車するほかはほとんど普通へは接続しない。下りは西枇杷島駅(すぐ後に岐阜行きのミュースカイが運転される列車)または二ツ杁駅(それ以外の列車)で特急を待避するが、上りは終点の豊明駅まで待避しない(ただし須ヶ口駅で急行の発車と特急の通過を待った後発車)。このためこの列車も前後 - 名古屋間で混雑することが多い。2005年1月ダイヤ改正から2006年4月ダイヤ改正のころは上りはほとんど知立行きで知立駅到着後前後駅まで回送されていた。そのため、このころは豊明駅から準急は上りしか利用できず、下りは1時間あたり4本の普通しか利用できなかった。2006年4月ダイヤ改正から2008年12月ダイヤ改正のころは東岡崎駅まで直通しており(さらに列車番号を変えて伊奈駅まで)、前後駅以東は普通列車になっていた。2003年ダイヤ改正以前は知立駅で特急が発車した後に発車しており、一宮方面と分かれる須ヶ口駅まで待避しなかった。昼間を中心に一部の列車が鳴海駅で折り返していた時期もある。西枇杷島駅のホーム有効長の関係から、主に3500系・5000系・6000系などの4両で運転されている。土休日のみ5700・5300系の運用がある。2011年3月ダイヤ改正からは、平日日中の準急運行が削減された。この時間帯は代わりに前述の豊川稲荷発着の急行が有松と二ツ杁に特別停車し、西尾線直通の急行が神宮前駅(上りは名鉄名古屋駅)以西で普通に種別変更している。早朝(ただし土休日の岐阜行きはない)と平日の夕方を中心に新羽島駅 - (普通) - 笠松駅 - (急行) - 岐阜駅間に2本運行している。2001年までは竹鼻線でも急行運転する列車も存在していた。2両または4両で運転。1800系も特急の間合い運用として使用される。本線・豊川線急行と同じく笠松駅 - 岐阜駅間は全列車途中無停車で、岐南駅・茶所駅・加納駅には1本も特別停車しない。早朝や深夜には急行のほか、岐阜駅から竹鼻線に直通する普通列車も数本運転される。以上をまとめると、昼間時間帯に名古屋本線内で急行、準急は以下の本数が運行されている(2011年3月26日改正時。この記事に記載されていない犬山線、常滑線直通列車を含む)。全列車が各駅に停車する。2両・4両が多いが、朝ラッシュ時などには6両や8両(後者は平日上り1本のみ)での運転も見られる。6両以上の場合、ホームが4両分しかない駅ではドアカットが行われる。豊橋駅を発着する列車は急行以上で普通列車は最東端で伊奈駅までしか行かない(平日6時台に各務原線名鉄岐阜発普通豊橋行きが存在するが名古屋駅から急行へと種別変更する。準急も存在するが種別変更により豊橋に着くころには急行になる)。ほとんどの待避可能な駅で優等列車と接続または追い越されるため、主要駅間を普通のみで乗り通すとかなり時間がかかる(知立 - 神宮前間を例にすると、快速特急・特急15分程度、急行20分程度に対し普通45 - 50分程度。朝ラッシュ時などは追い越されないこともある)。しかし、比較的駅間の長い新安城駅以東では、待避時間をのぞいた表定速度は約51km/hで、通称「ダラ」と呼ばれるほど極端に遅いわけではない。伊奈駅 - 東岡崎駅間では2本運行している。ほとんどの列車が東岡崎駅で岩倉行きなどに行先を変更して名古屋方面へ直通する。区間列車として東岡崎方面からの本宿止まり(2003年改正前は美合止まりもあった)がごく僅かに存在するほか、平日朝1本のみ豊川線への直通列車もある。また、最終列車は国府止まりである。この区間における普通のみ停車する駅の利用者は少ないが、朝ラッシュは名古屋方面への送り込みを兼ねて3・4本運行されている。日中は下りが国府駅で特急と接続、本宿駅で豊橋発の急行に接続、快速特急を通過待ちし、時間帯によっては豊川稲荷発の急行(有松、二ツ杁停車)および準急に接続する。上りが美合駅で豊橋行き急行と、国府駅で特急とそれぞれ接続を行う。下りは近年、本宿駅で豊川稲荷発の急行(準急)とも接続するようになり所要時間が延びていたが、2011年3月26日改正後は休日日中のみ東岡崎駅まで先行する(先行しない時間帯は美合駅で特急を通過待ちする)。豊橋駅を発着する列車の設定がないために伊奈駅で豊橋発着の急行に接続する(ただしすぐに接続できる列車は少なく、15分前後待つことが多い)。平日朝に、国府駅で準急に変わる伊奈発普通犬山行きが1本運転されている。犬山線へ直通する東岡崎駅 - 岩倉駅・犬山駅間に各2本運行している。大半が4両で運行されるが一部2両、6両の運用もある(一部列車は新安城駅、豊明駅、鳴海駅などで増解結をすることがある)。特急連結用車両である1800系の運用も存在していたが、2011年3月26日のダイヤ改正で、神宮前以東では普通列車の運用はなくなった。また、SR車での運行も多い。前記平日の夕ラッシュ時など時間帯によっては岩倉発着の列車が犬山発着となる。夜遅くなると半数(主に犬山発着の列車)は豊明駅発着となり、東岡崎駅 - 豊明駅間は2本になる。平日朝ラッシュ時は東岡崎駅 - 豊明駅間など上りの本数が日中より少なくなる駅もある。朝ラッシュ時や夜間には伊奈駅・本宿駅・岐阜駅(名古屋本線経由、犬山駅経由双方)・金山駅・鳴海駅・知立駅・新安城駅などの昼間運行されない発着駅の普通列車も存在する。2008年12月のダイヤ改正より、平日のみ入庫を兼ねた運用である東岡崎発豊明行きも夜間に1本だけ設定された(21時24分発、21時56分着。名古屋方面直通列車と同様に新安城駅で急行と特急を待避)。2011年3月のダイヤ改正時点ではさらに増発され、夕方と夜間に計5本設定されている。なお、東岡崎駅では岩倉発着の列車はそのまま名古屋方面へは折り返さず、列車番号と行き先を変えて伊奈駅まで延長運転される(前記の列車)。東岡崎駅 - 神宮前駅間では日中はそれぞれ以下の駅で優等列車に接続または通過待ちを行う(括弧内は追い越される優等種別の順番)。神宮前駅 - 金山駅間は常滑線へ直通する列車(金山駅 - 内海駅・河和駅・知多半田駅・常滑駅・中部国際空港駅)も運行されているため、下り10本、上り8本になっている。2005年1月のダイヤ改正までの常滑線直通列車の運行系統は上りは岐阜方面から知多半田方面への運転で、下りは常滑方面から津島線(主に佐屋行き)方面だった。枇杷島分岐点 - 須ヶ口駅間は名古屋市近郊にもかかわらず普通列車の本数が日中1時間あたり2本と少ない。これは、この区間の駅間距離が短く、普通のみの停車駅(西枇杷島駅・新川橋駅)よりも隣接する優等列車停車駅(二ツ杁駅・須ヶ口駅)や、名鉄名古屋方面への有効本数が多い東枇杷島駅に利用客が流れていることによるものであり、また運行形態からこのような現象が起きているととらえることもできる。この区間は前述の豊明駅 - 佐屋駅間の準急(平日日中は吉良吉田駅 - 弥富駅間の急行)が、下りは神宮前駅以西、上りは名鉄名古屋駅以西でそれぞれ普通列車に種別変更して走っているのみであり、日中に豊橋方面から普通のまま直通する列車や岐阜方面または常滑線から直通する列車は設定されていない。また山王駅では上下線で停車する本数が下り6本、上り4本と異なる。須ヶ口駅 - 岐阜駅間では4本運行している。この区間では上りが新木曽川駅では急行と特急または快速特急に、一宮駅では同駅始発の急行豊川稲荷行きに、国府宮駅では特急または快速特急に、新清洲駅では急行(半数のみ)に接続する。下りは新清洲駅で急行(半数のみ)、国府宮駅で特急、新木曽川駅で特急にそれぞれ接続する。このほかに一部の列車は岐南駅でも優等列車の通過待ちをしている。普通列車は基本的に区間内折り返し運転であるが、朝ラッシュなどは名古屋方面に直通する。区間列車として、一宮駅 - 岐阜駅間のみの列車がほんのわずかに設定されている。岐阜発着の普通の半数は2005年まで上りで知多半田駅まで(さらに列車番号を変えて河和駅または内海駅まで)ロングラン運用していた。2000年から2001年には半数が新木曽川駅以北で急行に種別変更していた(代わりに竹鼻線直通列車が普通のまま岐阜駅まで直通していた)。また、夜間には岐阜発常滑行き(土休日は太田川行き)が1本設定されている。この区間の普通列車は基本的に4両または2両での運転。普通列車のみ停車する駅では利用者がそれほど多くないが、特急の間合い運行の1800・1850系による2両または4両での運転が他の区間に比べてやや多くなっている。2200系が運転を開始した2005年以降は3100・3150系による2両単独運行も多い。以上をまとめると、昼間時間帯に名古屋本線内では以下の本数の普通が運行されている。歴史で後述するとおり、名古屋本線では成立時より東海道本線という競合線が存在し、優等列車主体の都市間連絡ダイヤを構成するため、伝統的に高速運転が行われてきた。戦後では認可速度95km/hから始まり、1953年に100km/h、1959年には105km/h、1961年からは特急で110km/h運転が認可された。1990年以降は線形の良い一部区間で120km/h(増圧ブレーキ・ABS装備車両のみ)となり、軌間が1067mmである在来私鉄の路線としては高速の部類に入る。なお120km/h運転開始に当たっては、車両以外の面でも下記のような改良、準備が行われている。優等列車(豊橋発着の急行を含む)の最高速度120km/h運転は、伊奈駅 - 名電長沢駅(上りは実質名電赤坂以東)、矢作橋駅 - 知立駅(実質は牛田以東)、新清洲駅 - 木曽川堤駅(妙興寺 - 名鉄一宮のみ実質115km/h)の各区間で、対応車種により実施されている。なお豊橋発着の急行については、ダイヤは7000系の走行性能を基準とする最高速度110km/hで組まれている。一方で、すべての普通列車(駅間距離がおおむね2.5km以上で速度制限の緩い箇所のみ)と支線(豊川線含む)直通の急行は、6000系に合わせて最高速度100km/hのダイヤとなっている。準急については、早朝・深夜の運行距離が長い列車は「豊橋発着の急行」に、その他大部分の区間列車は「支線直通急行」や普通に準じている。豊橋駅 - 名鉄名古屋駅間は愛知電気鉄道により都市間をほぼ一直線に結ぶ高速鉄道として建設され、名鉄名古屋駅 - 名鉄岐阜駅間は名古屋鉄道が合併した会社の路線が繋がり成立した。現在の枇杷島分岐点 - 丸ノ内駅間は名古屋電気鉄道、丸ノ内駅 - 国府宮駅間は名古屋鉄道(初代)、国府宮駅 - 名鉄一宮駅間は尾西鉄道、名鉄一宮駅 - 笠松駅間は名岐鉄道、笠松駅 - 名鉄岐阜駅間は美濃電気軌道により開業した。最初の開通区間は枇杷島橋駅(現在の枇杷島分岐点) - 須ヶ口駅間で、1914年(大正3年)に開業した。名岐線で最後に開通したのは新一宮駅(現在の名鉄一宮駅) - 新笠松駅(現在の笠松駅)間で、1935年(昭和10年)のことである。それまでの名岐間の連絡は木曽川線(尾西線新一宮駅 - 玉ノ井方面の旧名称)の木曽川橋駅(廃止:玉ノ井駅の北にあった)と笠松線の笠松駅(3代目。現在の西笠松駅)の間を木曽川を介して行われていたが、名岐線全通により、当時の名古屋側のターミナルで今の名古屋駅の北東にあった押切町駅から新岐阜駅(現在の名鉄岐阜駅)まで直通の特急が運転された。建設の経緯については「名古屋鉄道#名古屋電気鉄道」も参照。豊橋側は常滑線を営業していた愛知電気鉄道により開業。神宮前駅を起点に有松線、岡崎線、豊橋線と名を変えながら豊橋へ向け1917年(大正6年)から1927年(昭和2年)にかけて順次延伸された。沿線は東海道の宿場町として栄えていたが、官設鉄道の東海道線は豊橋駅を出ると、東海道から外れ、蒲郡駅を経由する海岸沿いのルートを取った。このため、東海道線が開通すると、東海道沿いの宿場町は一気に廃れてしまい、鉄道の力を思い知らされることとなった。愛知電気鉄道が同線を開通するに当たり、地元は積極的に鉄道誘致に動いたため、土地買収などがうまくいき、並行して走る東海道線とは違い比較的直進するような路線になっている。名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併して名古屋鉄道が発足した後、新名古屋駅(現在の名鉄名古屋駅) - 枇杷島橋駅間が開業した。さらに神宮前駅 - 新名古屋駅間の東西連絡線が1944年(昭和19年)に開業し名岐線と豊橋線が結ばれるが、名岐線は600V電化、豊橋線は1500V電化であったため、直通運転ができず金山橋駅で乗り換えが必要だった。名岐線が1500Vに昇圧され豊橋駅 - 新岐阜駅間が名古屋本線となり、直通運転が始まったのは戦後の1948年(昭和23年)のことである。現在も社内では「東西直通線」と呼ばれている。1990年(平成2年)、神宮前駅 - 金山駅間が複々線化された。ただし、この複々線は1駅間2.2kmのみで、神宮前駅では複々線間相互の転線も不可能になっており、列車の運用を見ても事実上常滑線を金山駅まで延伸したという性格の方が強いことが分かる。複々線化の用地は、金山総合駅と同様に以前から確保されていて、複々線化前の2線を下り線とし東側に貼り付け増設した2線を上り線とする形で行われた。現在の下り内線(常滑線列車用)は複々線化前の上り線を転用したものである。1972年(昭和47年)3月に都市交通審議会名古屋圏部会は神宮前駅 - 須ヶ口駅間の複々線化を答申したが、新名古屋駅付近の複々線化は困難な(東側に名古屋市営地下鉄東山線の名古屋駅が、西側に近鉄名古屋駅と国鉄(現在のJR東海)の名古屋駅があるので、現地下ホームの真下にもう一つ複線を敷設するしかない)ことと、名古屋本線金山以北の混雑緩和は犬山線と名古屋市営地下鉄鶴舞線の相互直通運転開始により目途がついたことから、金山駅 - 須ヶ口駅間の複々線化については運輸政策審議会における1992年(平成4年)1月10日答申第12号名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画についてには答申されず、事実上中止された。駅名は廃止時のもの東海地震に関する警戒宣言が発令された場合、名古屋本線では地震防災対策強化地域にあたる豊橋駅 - 名鉄名古屋駅 - 須ケ口駅間で列車の運行が休止されることになっている。前述のような歴史的経緯から、名古屋本線では距離を示すキロポストが4つに分かれている。(矢印の方向にキロ数が増える)
出典:wikipedia
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