王手(おうて)とは、チャトランガ系統のボードゲームでのある種の指し手(駒の動き)である。将棋の王将・チェスのキングなど、ルール上取られてはならないと定められている相手の駒に対して、自分の(王将・キングなどを除く)駒を利かせる指し手のことをいう。チェスの場合はチェック () と呼ばれている。これから転じて、スポーツなどで残り1勝すれば自分もしくは自チームが優勝できる状況になったことを表すのにも使われている。本稿では、主に将棋とチェスの「王手」について解説する。王手(チェック)は相手の王将(キング)に迫る手である。自分の駒を動かす(または将棋の場合は駒を打つ)事により、相手の王将(キング)に自分の駒の働きを利かせる手を指す。「次の手で王将(キング)を取るぞ」という脅迫の意味があり、その脅迫を受けた側は「王手(チェック)された」「王手がかかった」状態となる。王手(チェック)をされた側は、その状態から絶対に抜け出さなければならない。王手(チェック)は強制手であり、いかなる場合でも無視や放置は許されない。王手(チェック)をされた側がどのような指し手を用いても回避できない場合は詰み(チェスでは「チェックメイト」)となり、回避できなかった対局者の負けとなる。自玉(自分のキング)で敵玉(相手のキング)を王手(チェック)することはできない。つまり、敵玉(相手のキング)の隣には自玉(自分のキング)を置けないということである。王手の対処(王手の解消方法)には、次の3種類がある。王手をされていて、しかも上記のいずれの対処も不可能な場合は「詰み」となる。「詰み」となれば詰まされた側が投了して対局は終了となり、詰ませた方の勝ち(詰まされた方の負け)となる。(→ 詳細は詰みを参照。)指導対局や縁台将棋、初心者同士の対局などでは、王手をかけた側が慣習的に口頭でも「王手」と言う場合がある。ただしあくまで慣習であり、「王手」と発声しなければならないという規定はない。王手に直接関わる反則としては、打ち歩詰め、自玉を相手駒の利きにさらす手、連続王手の千日手がある(→ 詳細は将棋#反則行為を参照)。走り駒(飛車、角行、香車、龍王、龍馬)の利きにある自分の駒を動かしてかける王手である。図2から▲2四桂とした図3では、香車によって王手がかかっている。空き王手の一種。2枚の駒で同時にかける王手である。上記の図4から図5では角と香車の双方が王手をかけている。両王手をかけられると合駒はできず、王将を動かすしか手はない。王手している駒を取る対処法も王将自身で取る以外にできない(図では飛車で角や香車を取れず、後手としては王将を逃がす一手である)。したがって、両王手をかけられて王将を動かすことができなければ詰みとなる。王手を解消すると同時に、相手に王手をかける手である。図6で後手の王将に王手がかかったが、図7では合駒の桂馬によって逆に先手の王将に王手がかかっている。図7の例以外にも、王手をかけている相手の駒を取ることで逆王手をかけたり、玉将を逃げる手が開き王手の逆王手になる場合もある。詳しくは双玉詰将棋#逆王手も参照のこと。両取り(2つ以上の駒を同時に狙う手)の一種で、王手をかけつつ別の敵駒の位置するマスに自駒を利かせる手である。○の部分には、王将との両取りになっている駒の略称が入る。まず王手に対して応じる必要があるので、他に狙われている駒については取られることが多い。「王手飛車取り」「王手角取り」のように、価値の高い駒に関して使われることが多い。「王手飛車取り」は、特に「王手飛車」(おうてびしゃ)と略される。チェスでは将棋の王手にあたる手をチェックと呼ぶ。自分の駒の利き筋を、相手のキングに利かせる手を指す。チェックをされた側は、キングを取られないように必ず対処しなければならない。チェックの状態は、「check」あるいは「+」(プラス)で表現する。チェックの対処法(チェックの解消方法)には、次の3種類がある。チェックをされていて、しかも上記1、2、3いずれの対処も不可能な場合は チェックメイト(メイト)となる。チェックメイトとなれば対局は終了となり、メイトさせた方の勝ち・メイトされた方の負けとなる。(→ 詳細は詰み・チェックメイトを参照。)味方の駒を動かし、その後ろの駒で相手のキングをチェックする手である。チェス図では、白が次にRe2+またはRd4+とすれば、f3にあるビショップでチェックがかかるため、黒がこのチェックを防いでいるうちに白は黒のクイーンを取ることができる。将棋の空き王手に相当する。ディスカバードアタックも参照。ディスカバード・チェックの一種である。背後の駒だけでなく、動かした駒自体でもチェックする手を指す。チェス図3は、白のルークとビショップによるダブル・チェックである。ダブル・チェックの記号は「++」である。ダブル・チェックの場合は攻撃が双方向のため、味方の駒で防御することができない。そのためチェックを受けた側は、キングが逃げる以外に対処方法はない。チェックしている駒を取る対処法もキング自身で取る以外にできない。したがって、ダブル・チェックをされていてキングを動かすことができなければチェックメイトとなる。将棋の両王手に相当する。将棋の「逆王手」にあたる手である。相手のチェックを防ぐ駒で、同時に相手のキングへのチェックする手を指す。終盤戦でクイーンが使用されるケースが多い。これらのゲームでも、王手の解消方法や、空き王手(ディスカバード・チェック)・両王手(ダブル・チェック)・逆王手(クロス・チェック)に相当する特殊な王手などについては将棋・チェスとほぼ同様である。ただ、シャンチーやチャンギにおいては、王手に関して次のような特殊な性質を持つ駒がある。以下、「シャンチーの駒/チャンギの駒」の形式で駒を示すものとする。これらの特殊な駒の性質のため、シャンチーやチャンギでは、次のような特有の王手やその解消方法がある。チャンギにおける王手は「チャングン」と呼ばれる。日本将棋連盟開発課 『将棋ガイドブック』 日本将棋連盟、2003年11月 ISBN 978-4819700801
出典:wikipedia
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