ディスカス()は、南アメリカのアマゾン川などが原産の淡水魚で、シクリッド科・シムフィソドン属 "Symphysodon" に分類される魚である。観賞用熱帯魚として人気がある。成長すると全長 20 cm、尾ビレを含まない体長は 13 cm ほど。体は扁平で非常に体高が高く、横から見るとほぼ円形で、円盤(ディスク)型の体を持つことからこの名がある。背ビレと尻ビレが非常に長く、体の後半部を囲む。体の側面には黒い横帯が数本走る。それ以外の色彩のパターンには変化が多い。一般に赤褐色の地色に、青色から緑色の不規則な筋状の発色がある。原産地では、川の深い岩場や木の根の張り巡らされた水底などに潜む。水生昆虫やその他水中の動物性プランクトン、あるいは植物性プランクトンなどを食べる。普段は群れで行動するが、繁殖期にはオスは縄張りを作り、メスを誘う。つがいは水草や木の表面などに 50–300 個ほど産卵し、両親で卵を保護する。卵は数日で孵化し、さらに数日で稚魚が卵黄を吸収する。稚魚が両親の周囲を群れて泳ぎはじめると、親魚は体からディスカスミルクと呼ばれる粘液を分泌し、稚魚はこれを吸って成長する。子供の世話はオスメスで行い、子供は全長 5 cm を超えるまで親と行動を共にする。これはシクリッドの中でも独り立ちが遅い部類である。ディスカスは円盤状の体型に鮮やかな模様が入ることから、熱帯魚としても人気が高く、「熱帯魚の王様」と呼ばれることもある。他のシクリッドよりも比較的高価で取引されるが、飼育は餌や水質管理などの面からやや難しい。原種の体色は褐色系統が強いものが多いが、アジア、ヨーロッパなどで養殖、品種改良が盛んで、赤、コバルトブルーなどの色の強い美麗種が数多く作出され、流通している。産地や環境によって捕獲される個体の色調、模様などが異なることから、野生のものもいくつかの亜種に分けられる。かつてはすべての亜種がディスカスという 1 種に属するとされていたが、2 種に分けられた。ただしこれは一定の傾向は認められるものの、産地によっては種の特徴の変化は連続的で、種同士の交雑の可能性が指摘されている。学名 "Symphysodon discus" Heckel, 1840、 英名 red discus。南アメリカ、ブラジルのアマゾン川流域、ネグロ川、アバカシス川、トロンベタス川に分布する。ディスカスとして最初に記載された種である。体の側面には黒い横縞(垂直方向の帯)が目立つが、そのうち中央部付近の黒帯が特に太い。ヘッケル (Heckel) は、学名の命名者ヨハン・ヤコブ・ヘッケルに由来する。学名 "Symphysodon aequifasciata" Pellegrin, 1904、英名 blue discus。南アメリカ、コロンビア・ペルー(プトゥマヨ川)。ブラジル(アマゾン川支流のソリモンエス川からアマゾン本流にかけての流域、トカンチンス川)に分布する。黒い帯は細めで、ヘッケルブルーと異なり、中央付近の帯が太くなることはない。以前は体色から 3 亜種に分けられていたが、基産地が不明確・標本が少ないなどの理由から現在では認められていない。さらに、ミトコンドリアDNAによる分子系統解析では、ヘッケルブルーディスカスとの間での遺伝的差異も認められない。アマゾン西部に側所的に分布する種で、低地に分布するグループとは顕著な遺伝的差異が認められている。
出典:wikipedia
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