伊豆急行線(いずきゅうこうせん)は、静岡県伊東市の伊東駅から静岡県下田市の伊豆急下田駅を結ぶ、伊豆急行の鉄道路線。1961年(昭和36年)12月10日に全線が開業。伊豆半島東部の海岸沿いを走っているが、実際に海が見える区間は半分程度である。これは伊豆半島特有の山が海までせり出す地形のために、トンネルを多用しなければならなかったためである。また、箱根山戦争の余波(伊豆戦争とも呼ばれる)により西武系の企業に現在の下田プリンスホテル付近などの海沿いの土地を押さえられてしまい、河津 - 伊豆急下田間で山側の現在の谷津トンネル経由にルートを変更しなければならなかったことも影響している。伊豆急行沿線は、古くから温泉街が多く、建設当時はトンネルを掘る際、地盤に源泉が染み込み、たびたび落盤事故を引き起こしていた。この事故で、多数の建設員が犠牲となった。川奈 - 富戸間では、海抜100m超の位置から海を見下ろすことができる。眼下には川奈岬、川奈ホテルゴルフコースが広がる。片瀬白田 - 伊豆稲取間では波打ち際近くを走る、伊豆急の車窓を代表する区間で、「リゾート21」に乗車すると、視界いっぱいに海が広がる。この区間ではワンマン運転列車をのぞき車内放送で車掌が伊豆七島の案内放送をする(伊豆急行線に乗り入れてくるJR東日本の特急「スーパービュー踊り子」ではNREのビューアテンダントが放送を担当する)。天候が悪く見ることができない場合は、「本日はあいにくご覧いただけませんが」などとその旨断って放送する。2010年(平成22年)3月13日に全線にICカード「Suica」を導入し、これによりPASMOなどSuicaと相互利用可能なカードも利用可能となった。なお、伊豆急行ではJR東日本発行のSuicaの発売のみで、自社での発行は行わない。定期券も従来のものである。なお、伊東 - 伊豆急線内間を利用すると、履歴には「伊急伊東」と表記される。JR管理駅である伊東駅を除いた全ての駅には自動改札機は設置されておらず、駅員が列車ごとに改札を行う。前述のようにSuica導入に伴い、南伊東からの各駅にICカード用の簡易改札機が設置された。一部の駅では自動券売機が設置されており、伊豆急行線はもちろん伊東駅から先のJR(伊東線・静岡・東京方面)への連絡乗車券や「踊り子」号の自由席特急券が購入できる。発券される乗車券は磁気化されているので、伊東駅と熱海駅から先の各駅に設置されている自動改札機に通せる。新幹線を含む指定席特急券とJRの遠距離乗車券は特急停車駅にあるみどりの窓口で販売されているが、伊東駅を除きクレジットカードは使用不可である。2012年(平成24年)4月1日より稲梓駅と伊豆北川駅は終日無人駅となり、窓口は閉鎖され、券売機なども撤去された。終日無人となったため、緊急通話用として稲梓駅は伊豆急下田駅に、伊豆北川駅は伊豆高原駅に自動でつながる電話機を設置した。終日無人駅である稲梓駅と伊豆北川駅以外は有人駅であるが、この両駅以外の特急通過駅および伊豆熱川駅、河津駅では一部時間帯に無人となるため、乗車駅証明書発行機と運賃収受箱が設置されている。この乗車駅証明書発行機は、JR東日本の乗車駅証明書発行機とは全く違い、路線バスなどに設置されている小田原機器製の感熱紙式整理券発行機が使用されている。駅員がいる場合でも、駅の見回りなどで不在のときに使用されることがある。運賃収受箱は早朝・夜間の一部時間帯と日中のワンマン運転時に車掌が乗務しておらず乗客の運賃、切符を無人駅で車掌が回収できないため設置されており、運賃収受箱の近くに各駅からの運賃が記載された表が貼られている。最近、JR東日本と同タイプのものでない非常ボタンが設置されている踏切を対象に、非常ボタンがJR東日本と同タイプのものに取り替えられている。また、特殊発光信号機は踏切では伊豆急行独自のデザインのものが使用され、海岸線や山間部などに設置されている落石警報では一般的な反時計回りに点灯する五角形のものが使用されている。踏切動作反応灯は一般的なデザインのものが使用されている。踏切の警報音はほとんどの踏切が東急の踏切と同じ警報音が使用されている。1961年の開業当時より優等列車の多くは、伊東駅で接続しているJR東日本の伊東線を経由して東海道本線と直通している。普通列車も、朝晩は伊東駅での折り返し運転となるが、日中については伊東線の熱海まで直通運転する列車が多い。また、東京からの普通列車がグリーン車を連結しており、それに合わせる必要があったことと、別荘地を走るため需要が見込めることから、かつては伊豆急行でもグリーン車を保有し、自社の普通列車にも連結していた。のちに特別車両の「ロイヤルボックス」を連結するようになったが、現在では東京へ乗り入れる特急「リゾート踊り子」以外の自社列車にはグリーン車やロイヤルボックスなどの特別車両の連結はしていない。なお、JR伊東線の熱海駅 - 伊東駅間の列車のうち伊豆急行線に乗り入れない普通列車についても、東海道線東京方面への直通列車をのぞいて伊豆急行の車両が使用されている。普通列車の運行本数は昼間時間で1時間に2本程度。日中は伊東線直通列車を含め8000系電車2編成を連結した6両で運転される。ただし、伊豆高原以南は時間帯によって同駅で後方を切り離して3両での運転となる。その場合の後方3両は「普通 伊豆高原」と行先表示され、車内の電光掲示もそれに伴った表示となる。乗車中は3・4両目間の行き来ができない。また、「リゾート21」での運用時も、伊豆高原駅から先は8000系3両に取り換えて運転されることもある。なお、特急停車駅と一部の特急通過駅のホームは10両編成に対応している(伊東駅は11両対応)。定期列車は特急列車(踊り子・スーパービュー踊り子)・普通列車の2種別のみであるが、観光シーズン等の多客期になると、特急列車の増発や臨時の快速列車の運転が行われる。2016年7月16日からは東海道本線小田原駅 - 伊豆急下田駅間で観光列車として臨時快速「伊豆クレイル」が土休日中心に1往復運転されている。早朝・夜間および日中の伊豆高原以南の一部普通列車には8000系を使用したワンマン運転が行われている。ただし、運転士以外にもう1人乗務員が乗務しており(一部の時間帯をのぞく)、乗車券の発券や集札を担当している。このため8000系には自動放送装置は設置されているものの、運賃箱や整理券発行機は設置されていない。ドア扱いはすべて運転士が担当し、もう1人の乗務員はドア扱いを行わない。伊豆急行線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。伊豆急行線の近年の収入実績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。当路線にはJR東日本の車両が中心に乗り入れている。2002年12月以降、東海道線からの直通列車は特急列車、一部の臨時列車のみであり、東京駅発着および上野東京ラインなどの普通列車は乗り入れていない。その他団体列車で様々な車両が入線していた。下田に須崎御用邸があるため私鉄では珍しくお召し列車が乗り入れる。最近は特急「踊り子」「スーパービュー踊り子」のグリーン車に乗車しているため、クロ157形や一号編成を使用した純粋なお召し列車は乗り入れていない。一方、1973年6月5日と1975年3月12日には、御料車に100系グリーン車、サロ182号を使用したお召し列車が伊豆高原 - 伊豆急下田間に運転されたこともある。また、一号編成の後継としてお召し列車にも使用されるE655系が2007年11月8・9日に伊豆急下田まで試運転を行った。「踊り子」「スーパービュー踊り子」「リゾート踊り子」「マリンエクスプレス踊り子」の停車駅については列車記事を参照(線内での臨時停車もあり)。ほとんどの駅が一線スルー化されている。なお、「伊豆」を冠する駅名(例:伊豆稲取)が多いのは、開業当時に国鉄と連絡運輸を行っていた東海自動車のバス駅やバス停(例:稲取)と区別するためである。伊豆北川(いずほっかわ)駅に関しては、日豊本線の北川(きたがわ)駅との区別も兼ねている。城ヶ崎海岸駅から伊豆高原駅へは、一駅で「海岸駅」から「高原駅」に行き来できるが、城ヶ崎海岸駅(標高:約93m)の方が伊豆高原駅(標高:約63m)よりも標高の高い場所にある。
出典:wikipedia
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