大室山(おおむろやま)は、静岡県伊東市にある標高580mの火山。独立峰で山焼きが毎年行われるため一年生植物で覆われてよく目立ち、伊東市のシンボル的存在である。山体は国の天然記念物および富士箱根伊豆国立公園に指定されている。大室山は伊豆東部火山群の活動の一つとして約4000年前に噴火した単成火山のスコリア丘である。以前は大まかに約5000年前の噴火で形成されたと言われてきたが、工事現場で火山灰に埋没した木が発見され、年代測定によってそのように考えられるようになった。スコリア丘とは、火口からマグマが噴き上がってできたスコリア(塊状で多孔質のもののうち暗色の石)が、火口の周囲に累積し、円錐台の丘を形成したものである。大室山スコリア丘では、底径1km,比高300mほどの山体を有し、その中心に直径250m、深さ40mのスリバチ状の火口を持っている。また、南斜面の標高450m付近にも、直径50mほどの小さな火口もできている。山体の最高地点は火口の南側の火口縁で三角点が設置されている。大室山はこの整った姿と保存状態から、日本におけるスコリア丘の代表例の一つとして紹介されることも多く、2010年(平成22年)8月5日には、単成火山の典型例として、国の天然記念物に指定されている。大室山の噴火の期間は10年以内とみられ、途中に数年ほど休みを挟んでいる。噴火が進み、スコリア丘を成長させると、西の麓から最初の溶岩流が湧きだし2方向へ流れ出した。そのうち南に流れたものは深い峡谷をせき止め、現在の池地区に湖をつくり出した。この湖は明治時代に排水トンネルを掘り、水田へと変わった。その後、北東と南の2カ所の麓から先述の溶岩流の30倍もの大量の溶岩があふれ出し、南東へ流れた溶岩は相模灘を埋め立て、城ヶ崎海岸のまれな海岸をつくり出した。同時になだらかな土地も生み出し、後に人間がこれに目をつけ、伊豆高原の観光地と別荘地を発展させることとなる。北に流れた溶岩流は谷を埋め、ここでも湖をつくり出し、また、少しだけ一碧湖へ流れ込んで、十二連島と呼ばれる小島たちをつくり出した。この北東と南の2カ所の麓にできた火口では、噴火の終わりが近づいてくると溶岩の粘度が増し、火口の上に蓋をするように溶岩ドームをつくった。一方、山頂の火口内では溶岩湖がつくられ、その後消失。しばらくして、スコリア丘の南斜面から小規模な爆発が起こして火口の跡を残し、大室山の噴火はすべて終わった。なお、再び大室山が噴火に至る可能性は、単成火山群の特性からして否定される。北麓からの大室山登山リフト(有料)に乗れば6分ほどで山頂に着く。火口縁には遊歩道が整備され周遊(お鉢周り)することもできる。かつては徒歩でも登れたが、現在では禁止されている。火口底は長らく観光アーチェリー場として利用されてきた。大室山の周辺にはさくらの里公園や伊豆シャボテン公園などの伊豆高原の観光施設と宅地・別荘地が広がる。伊豆半島東岸と天城山はもとより、気象条件がそろえば、北は南アルプスから富士山、箱根の山々まで、東から南に伊豆大島をはじめとする伊豆諸島、遠くには三浦半島から房総半島、東京スカイツリーまでも望める。大室山の山焼きは700年以上の歴史がある。過去には質の良いカヤを手に入れることが目的だった。山焼きは毎年2月の第2日曜日に行われ見物客を集める。有料ではあるが先着順で着火に参加することもできる。ただし山焼きは天候により順延することもある。2012年に開催された山焼きでは、東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の直後であることから、事前と事後に放射線量の測定が行われ公表された。2014年の山焼きでは、平成26年豪雪などの影響により、約1か月遅れの3月9日に行われた。西北麓にある公園。40,000m²に約40種、数千本の桜が植えられ、9月から翌年6月まで桜を楽しめるように工夫されている。毎年4月上旬には伊豆高原さくらの里まつりが催され公園はそのメイン会場となっている。火口内の中腹にある神社。安産と縁結びの神として信仰されている。浅間神社でありながら磐長姫命(いわながひめのみこと)のみを祭神とする稀有な神社である(全国の浅間神社のほとんどが木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祭神としている)。この神社には、要約すると次のような伝説がある。「父の大山祇神(おおやまつみ)の希望で、姉の磐長姫命、妹の木花開耶姫命ともに、天孫である瓊々杵命(ににぎのみこと)に娶ってもらおうとしたが、美人の妹しか見初められず、姉は返されてしまった。その姉はすでに天孫の子を身籠っていたので、当大室山に茅で産屋を設けさせ、中に入ると火を点けさせ、炎の中で火の神を3柱、無事に出産した」 当山にはコミュニティ放送局であるエフエム伊東の送信所が置かれている。1998年(平成10年)5月3日開局。
出典:wikipedia
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