JR(ジェイアール、)は、日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化により発足した、北海道旅客鉄道・東日本旅客鉄道・東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道・四国旅客鉄道・九州旅客鉄道・日本貨物鉄道、以上の鉄道事業者を中心とした企業群の総称である。また、企業群における個別の会社に対する略称・通称(例:「JR東日本」)としても用いられる。1987年(昭和62年)4月1日に、国鉄から地域または分野別に事業を継承した12(その後、合併等によって数は変化している)の法人で構成されている。国鉄の英文字略称が「JNR (Japanese National Railways)」であったことから、「国有」を表すNを除いて「JR」とした、と説明されることもあるが、実際には「NR」(Nは日本(Nihon、Nippon)の頭文字)などの案も検討されていた。各事業者・法人の総称としてはJRグループとも呼ばれるが、このグループは概ね以下の3種に分類される独自の資本体制に依拠した法人の総称で(次項「#民営化から現在までの状況」も参照)、なおかつ資本体制に関わらず経営はそれぞれ独立しており、会社相互間の株式持ち合い関係や、グループを代表して各社を統括する持株会社は存在しない。このような分散的なグループ体制に起因して、営業施策や経営戦略等において各社の独自性が極めて強いのが特徴であるが、一方で旧国鉄から引き継いだ鉄道ネットワークの一体性にも利用客への利便性という観点からある程度配慮されており、列車の相互乗り入れや運賃・乗車券制度の事実上の共通化等を通じた広域的な連携・協調・協力体制も構築している。JRグループには、6つの旅客事業会社と1つの貨物事業会社、鉄道の研究機関(公益財団法人)やコンピュータシステムを担当する会社があり、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(JR会社法)を設立根拠とする会社と対象外の会社が混在している。そのうち旅客事業を担当する会社は、それぞれJRバスやJRホテルグループに属する会社のほか、駅ビルや飲食店などを運営する各種子会社・関連会社を傘下に収めている。またJR貨物に関しても、臨海鉄道会社や物流会社などを傘下に収めている。ちなみにJR系の社員の健康組合は、概ね「JRグループ健康保険組合」の加入となる。なお、JRの駅などに掲示されるデスティネーションキャンペーンや青春18きっぷのポスター、そして交通新聞社発行の『JR時刻表』には、「JR-GROUP」のロゴが使用されている。ただし、この場合のJRグループは旅客鉄道各社を意味し、貨物・総研・システムは含まれない。JRグループ各社は、日本国有鉄道改革法(昭和61年12月4日法律第88号)(第6条第2項(旅客会社)、第8条第2項(貨物会社))の規定により、1987年4月1日に発足した。運営等については、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(JR会社法)に定められた。「JR」という呼称は、同年2月20日に決められたものである。JR発足当初は、国鉄から移行した日本国有鉄道清算事業団が全株式を保有する特殊会社であった。なお、同事業団解散に伴い1998年10月22日以降日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部、2003年10月1日以降独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が株式を継承した。2001年6月27日にJR会社法が改正され、本州の旅客3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)が同法の対象から外され、純粋民間会社(非特殊会社)化が実現した。それに伴い、一部経営に関する部分の認可制から解放され、いわゆる「普通の会社」になったが、その一方で、国鉄改革趣旨に則った事業運営が行われるよう「本州3社が配慮すべき指針」の公表、事業経営への指導及び助言、勧告及び命令を国土交通大臣が行うことができる旨が、改正附則に明記された。その後、本州3社の株式については順次民間への売却が行われ、2002年6月にはJR東日本、2004年3月にはJR西日本、2006年4月にはJR東海の全株式の売却が完了し、上場している本州3社は名実ともに「完全民営化」が実現した。一方、いわゆる三島(さんとう)会社と呼ばれる本州以外の旅客3社(JR北海道、JR四国、JR九州)およびJR貨物は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構)が全株式を保有する特殊会社であり、また、もともと採算の厳しい路線が多く、経営努力だけでは限界があることが当初より想定されていたため、固定資産税の減免および三島会社に関しては経営安定基金により損失補填している等経営環境の厳しい状況にある。経営安定基金の主な運用先として鉄道建設・運輸施設整備支援機構への高金利による貸付であり、実質的に補助金にあたる。なお、JR北海道は、2000年頃のITバブルで株価が急回復したことを受けて、2002年頃の上場を計画していたが、その後の株価低迷により、見送りの状態が続いている。2015年6月10日にJR会社法が改正され、2016年4月1日よりJR九州が同法の適用から除外された。これにより同社は法令上は特殊会社から民間会社に移行した。現在、鉄道運輸機構が保有している同社の株式は全て売却される予定となっており、これが実現すれば同社は経営が厳しいと見られていた三島会社からは初めて「完全民営化」を果たすこととなる。そして同社は、2016年10月25日に東京証券取引所へ上場する予定である。なお同社の経営安定基金の取り扱いについては、借入金の返済や新幹線設備使用料の一括前払いなどに充てられ、国庫に返納せずに全て取り崩された。固定資産税の軽減措置は改正JR会社法の施行から3年後の2019年度に廃止される予定である。なお2016年時点で、その他3社(北海道、四国、貨物)については上場や民間への株式売却の目途は立っていない。「鉄」の字についてはロゴ文字では「鉃」(金偏に弓矢の矢)という字を採用した。JR四国を除き、JRグループでは各社とも社名ロゴに「鉃」(金偏に矢、本来は「鏃(やじり)」の意)を使用している。これは「金を失う」に繋がる「鉄」の字を避けるためのゲン担ぎであり、背景にはJRは国鉄の赤字が原因で発足したという経緯がある。かつては、近畿日本鉄道等にも同様の例があった。JRグループにおける各社の略称は、分割民営化前の国鉄時代に原案が作られており、それらをもとに決定され、1987年2月20日に発表された。1987年4月1日の新体制の発足に際し、呼称としての「JRグループ」・「JR○○」を前面に押し出した結果、「JR」の定着はスムーズに進んだ。JRグループにおける各社のコーポレートカラーは、分割民営化前の国鉄時代に原案が作られており、それらを元に決定され、1987年2月20日に発表された。JRマークなどのロゴデザインは、1964年東京オリンピックポスター、トヨタロゴ、アサヒビールロゴ等を考案した日本デザインセンターが製作した。JRマークは、鉄道車両は両方向に進行するため、どちらに動いても違和感のないように作られている。高速走行時の視認性も考慮され、太くて横に広がるシンプルな一筆書き(レールは繋がっている)の形状には、スピード感も込められている。また、新会社の安定感を作り出すために「R」の斜めの支えを加えることで、大地に根を張るイメージが付与されている。JRマークはわずかな例外を除き、殆どの各社の鉄道車両に提出されている。電車や気動車については制御車の側面・まれに前面部分、機関車の側面、客車では緩急車の側面などにこのマークがある。民営化当初、各社は車体の色合いに合わせて、白色、黒色または灰色といった無彩色のJRマークを掲出していたが、JR九州だけは一貫してコーポレートカラーである赤色のJRマークを掲出しており(303系と713系を除く)、ED76・EF81など、車体が赤色である交流用および交流直流両用電気機関車については、赤地に白い縁取りを加えたJRマークを使用した。その後、現在に至るまでに様々な色のJRマークが車両に掲出されている。なお、JRマークは「ジェイアアル」という呼称で1999年12月3日に商標登録が完了している 。各社毎にロゴが商標登録されており、各JR旅客各社のロゴは、全旅客各社が共同で権利を申請し、所有している模様である。また、JR貨物では、JRマークの下に「FREIGHT」の文字を加えたロゴや、近年では独自の「JRF」マークを制定している。所有するコンテナや機関車に使用しており、こちらも商標登録されている。1986年11月28日に参議院本会議で国鉄改革関連8法が可決成立したことに伴い、新会社のマークと社名ロゴにコーポレートカラーなど、新会社が必要とするデザイン課題が国鉄プロジェクトチームと電通との間で話し合われていた。その製作に相応しいクリエイターということで、日本デザインセンターにデザイン製作依頼が舞い込み、チーフディレクター梶祐輔を中心としたプロジェクトチームが立ち上げられた。マークのデザイン案は「JRグループ(Japan Railway Company)」または「NRグループ(Nippon Railway Company)」で、それ以外にも幅の広いデザイン案が求められた。各デザイナーによって起こされたデザインは100案以上を超え、「JR」「NR」を模ったもの、レールの頭文字「R」をデザインしたもの、6つの旅客会社のレールをデザインしたもの、レールを鳥がはばたくイメージで表現したものなど多様なアプローチが提案され、1987年1月14日には3案に絞られた。杉浦喬也国鉄総裁はその3案を自宅に持ち帰って3日間考え抜き、新会社グループのJRを最もシンプルにデザインしたものに決定され、最終的には永井一正の監修を受けて完成した。デザインが決定してから民営化までは2か月半しかなく、7社の社名ロゴおよび各社カラー・アプリケーションの開発・マニュアル制作・記者発表用キット・各社の切符など膨大な制作物をこの期間で仕上げることが求められた。国鉄では、民営化初日の4月1日に特急の一部と山手線だけにでもJRマークを付けた車輌を走らせたいと考えていた。日本デザインセンターは、民営化の初日から全国の列車の機関車と運転台付きの車両にマーク展開することを提案。3月31日の最終列車から始発までの数時間に、全国1万車両に及ぶ多彩な型式の車両ごとにデザインを起こし、国鉄職員の手でJRマークを貼るという計画だった。そのために誰にでも短時間で作業できるよう工夫した「JRマーク車両貼付け指示書」が制作された。この指示書は110ページに及ぶものだったが、時間が切迫していたため、図面の指示は山本洋司による手書きだった。4月1日、最終電車から始発までのわずか4時間で、JRマークの貼り付け作業が全国一斉に行われている。
出典:wikipedia
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