甲子園駅(こうしえんえき)は、兵庫県西宮市甲子園七番町にある、阪神電気鉄道本線の駅。駅番号はHS 14。かつては甲子園線も発着していた。春の選抜高校野球や夏の全国高校野球大会の本会場であり、プロ野球阪神タイガースの本拠地でもある阪神甲子園球場の最寄り駅である。直通特急の一部を除いた全営業列車が停車する。直通特急は区間特急が運転される上り平日朝7 - 8時台の7本のみ通過するが、それ以外は全列車が停車する(下りは終日全列車が停車)。かつては直通特急・特急の大半は通過していたため臨時停車も実施されていたが、現行ダイヤではほぼ全ての列車が停車するようになったため、臨時停車は実施されていない。甲子園球場での野球の試合の開催日には、当駅 - 梅田駅間で臨時特急が、当駅 - 三宮駅間で臨時急行が、それぞれ運転されることもある。梅田駅発着の土曜・休日夜間(深夜除く)の急行と平日朝のみ運転される区間急行は、当駅終着・当駅始発となる。かつては上り列車のみであるが、阪神の駅で時刻表に全ての列車種別が表示されている唯一の駅でもあった。因みに、2009年の阪神なんば線延伸によるダイヤ改正で一旦はそれが消滅したが、2016年3月19日のダイヤ改正で区間特急が尼崎駅にも停車することになったため、現在では尼崎駅がそれに該当している。島式・相対式ホームの3面4線による待避可能駅。武庫川の支流で廃川となった枝川を渡る橋に設置された高架駅である。上り・下りとも主本線と待避線に挟まれた島式ホームに加えて、下りのみ4番線の南側に降車専用ホーム(5番ホーム)が設けられている。ホーム中央部を覆うように、白球をイメージした大屋根があるのが特徴的である。阪神甲子園球場でのイベント開催時に運転される梅田方面からの当駅終着の臨時列車が4番線に入線し、その列車がしばらく停車する場合、列車は必ず両側の扉を開ける。また、3番線に列車が入線した場合には、駅員は乗客に4番線の電車を通って改札口へ行くよう案内している。1975年5月5日の国道線廃止までは、東口改札横の甲子園筋側道に2面2線(構内踏切あり)の甲子園線ホームがあった。また、2014年秋までは、1・2番ホームの北側に1番線降車用ホームである0番ホームも存在した。元々は内側2線(2番線と3番線)が主本線、外側2線(1番線と4番線)が待避線であったが、当駅から武庫川駅までの高架化工事で上り線が仮線に切り替えられた関係で、現状は1番線と3番線が主本線、2番線と4番線が待避線となっている。但し、下りに関しては、平日朝ラッシュ時の直通特急・特急・快速急行は4番線に着発し、また阪神甲子園球場でのイベント開催日も混雑状況に応じて4番線を主本線とすることがある。なお、かつてはホーム幅が狭かったこともあり、安全のため通過列車には65km/hの速度制限を掛けている。野球開催日など、阪神甲子園球場でのイベント当日は駅構内が一時的に混雑する。特にイベント終了直後でホームに乗客が溢れて危険と判断された時は、駅構内への入場が一時的に制限(改札制限)されることがある。駅舎(改札口)は、駅の直下で交差する甲子園筋を挟んで東口と西口があり、駅長室は西口に設けられている(長らく東口にあったが駅改良工事により西口に移転)。なお、東口には券売機横の元駅長室だったスペースに西宮市の観光案内所が新たに設けられ、併せて定期券売り場も同スペース内に移設している(工事期間中は暫定的に降車専用ホーム西側階段下のスペースで営業)。元々西口は通路が東口より狭かったため、阪神甲子園球場でのイベントが終了した直後には押し寄せる多数の乗車客によって降車客が改札口へ進めないことがあった。西口にはこのような場合に備えて、駅の北側へ出られる臨時出口が存在した。この臨時出口は通常時は完全に閉鎖されており、また使用される機会が少ないため自動改札機は設置されておらず、有人で乗客一人ずつ機械で出場処理をして対応していた。一方、東口でも、2台の自動改札機が設置されている甲子園筋に面した西側の小改札口を出場専用として乗車客とは柵で交わらないようにし、降車ホームからの降車客を誘導していた。ホーム有効長は、阪神なんば線延伸開業に合わせて神戸側を数m延長して約130mとなったため、19m級の阪神車両・山陽電気鉄道車両6両編成と21m級の近畿日本鉄道車両6両編成が停車可能となった。現在は駅改良工事により1・2番線ホームは東側に1両分ほど移動、また拡幅されたことから、板張りの仮設ホームと屋根を継ぎ足して対応している。当駅はホームの狭さと、阪神甲子園球場の観客輸送という特殊な事情のため、乗車位置を示す表示や標記には、他の駅とは異なる経緯がある。阪神・淡路大震災前までは、他の駅と同様、対面するホーム下に乗車目標を示したプレートが貼られていた。しかし、狭いホームで特定の位置に乗客が集中すると危険なため、という理由で震災後しばらくして、そのプレートは撤去された。その後、区間特急に女性専用車両を設定したのに合わせて、区間特急が着発する1番線には、誤乗防止のため女性専用車両の乗車位置の足元にのみ、女性専用車両であることを示す乗車目標シールが貼付された。後に2番線にも区間特急が着発するようになったため2番線側にも同様のシールが貼付されたが、後述する駅改良工事に伴い区間特急は全て1番線に着発することとなったため、乗車目標を移動させた際に2番線側のものは撤去された。ただ、阪神の全45駅中唯一乗車目標がなく、利用客からも「球場の観戦客重視で日常の利用客を軽視している」といった批判も含めて乗車目標の設置を求める声が相次いでいたことを受けて、2010年3月17日から、1 - 4番線の乗車位置に他の駅と同様のシールが貼付され、ほぼ15年ぶりに当駅における乗車目標が復活した。なお、かつてホームにあった反転フラップ式発車案内板には乗車目標まで記載するスペースがなかったため省略されており、代わりに乗車目標の設置と併せて駅構内の発車時刻表に乗車目標の表示を追加して対応した。またこれと同時に、駅で配布しているポケット時刻表にも同様の表記を追加して対応した。その後は、後述の通り、乗車位置も表記した新型のフルカラーLED式の発車案内板に置き換えたことで、2012年3月20日のダイヤ改正後はポケット時刻表も含めて発車時刻表には記号の付記はしなくなっている。島式2面のホームは終日使用されるが、降車専用ホームは基本的に阪神甲子園球場でのイベント開催日のみ使用されている。下りは、イベント開催日で特に混雑時には列車待避がなくても外側線の4番線に入線させ、両側のドアを開けて5番ホームを使用して極力乗降分離させている。このため、待避列車や留置列車などが2・3番線に入線することがある。廃止された0番ホームからは、東口にのみ出ることができた。この通路は、改札口の手前まで乗車用の通路と別になっているが、この部分はかつての甲子園線浜甲子園方面行きホームの跡を通路化したものである(現在は駅改良工事により大阪方面行きホームへの通路に転用)。一方、5番ホームからは東口・西口ともに通じる通路があるが、西口は通常時閉鎖されている臨時出口のみに繋がっており、西改札口へ直接出ることはできない(但しエレベーターのみ西改札口に繋がっている)。臨時出口は東口よりも阪神甲子園球場に近いため、基本的に阪神甲子園球場でのイベント開催時に使用され、イベント当日は駅員が阪神甲子園球場へ向かう乗客に対し、臨時出口を利用するよう案内・誘導している。駅改良工事中においては、従来のホームを解体・撤去し、阪神甲子園球場での大規模イベントが殆どない11月から3月中旬にかけて集中的に工事した上でその期間は利用停止とし、イベントが集中する3月下旬から10月にかけては仮設の板張りホームを造って対応していた。0番ホームは2014年11月に東口へ繋がる階段・通路が撤去されたのちホームも撤去され、その跡地に1番線の線路が敷かれた上で、2015年2月21日より1・2番ホームが北側へ拡張された。また、旧来の5番ホームも撤去され新たに4番線の線路が敷かれており、翌3月14日より3・4番ホームも拡張され、合わせて現在の南側に建設中の新たな降車ホームが新5番ホームとして3月21日より運用開始。写真左に写っている大きな木は、5番ホームのすぐ脇に生えているクスノキである。この木の生えている場所は、駅のコンクリート構造物が少し凹んでおり、木を避けるように造られている。駅西方(神戸側)には、上下本線の間に引き上げ線が1本あり、梅田方面からの折り返し列車が使用する。早朝に尼崎車庫から出庫し武庫川線に入る2両編成も、いったん武庫川駅を通過して当駅まで回送し、この引き上げ線を使用して折り返し、武庫川線に入線する。このため、当駅の引き上げ線の線路上には急行系車両の停車位置である『6』、普通用ジェットカーの停車位置である『4』の他に、武庫川線充当車両用の『2』と表記された停止位置目標が線路上に設置されている。なお、この引き上げ線は当初近鉄車6両編成には非対応であったが2014年に延伸工事が行われ、新たに『近6』も設置された。この引上線は1984年3月に久寿川駅手前まで高架化された際に設置されたものであり、これ以前は本線上で折り返していた。東改札口の横に甲子園線の架線柱が廃線後も残っていたが、駅改良工事により2015年3月に撤去された。かつては、駅の北側に甲子園線との連絡線(元は旧枝川の河床への引込線)があった。0番ホームの下にはこの連絡線の橋を支えていた橋台が残されており、駅の北側から観察することができたが、駅改良工事により撤去される。降車専用の0番・5番ホームには、阪神本線内では珍しくなった「自立式」の駅名標がかつて設置されていたが、現在の5番ホームには設置されておらず、代わりに大屋根を支える太い支柱に駅名標と出口方向の案内サインを模したシールが貼られている。阪神なんば線延伸に合わせて発車案内板が新型のフルカラー発光LED式に更新された駅もある中で、当駅の反転フラップ式は継続して使用され続けたことから、結果的に阪神の駅の中で反転フラップ式が残された最後の駅ともなった。阪神なんば線延伸区間の開業後は「快速急行 奈良」とその停車駅の表示を新たに追加して対応していた。ただ、1・2番ホームは2012年3月14日始発より、3・4番ホームは翌15日始発より、それぞれフルカラーLED式に変更され、改札口にあったものも後に西口、東口の順にフルカラーLED式に変更されたため現存しない。東口・西口ともに南側にしか出口がなく通路が築堤内にある構造のため、階段が片側にしかない東口通路は通気性が悪く、夏場などは蒸し暑い空気がこもることが多かったことから、風が通るように通風孔が設置された。公衆無線LANスポットが2012年3月に設置された。利用できるのはKDDI(au)のスマートフォン向けサービスau Wi-Fi SPOTと提携しているワイヤ・アンド・ワイヤレスのWi2 300で、2012年4月23日にはソフトバンクWi-Fiスポットも利用できるようになった。阪神の駅では初の設置であり、それ以降は同社の各駅にも順次設置されている。また、併せて阪神甲子園球場にも設置されている。2013年10月26日より西改札側にエレベーターを設置し、併せてエスカレーターは移設するため一時的に閉鎖・撤去した。その後、2015年12月より西改札側にエスカレーター(島式ホームに1基ずつ。普段は上り専用だが夜間は下り専用となる)が、2016年3月より東改札側にもエレベーターが、それぞれ新たに設けられ稼働している。ちなみに、当駅のエレベーターのボタンは全て白球をイメージした丸型のものが採用されている。当駅の列車接近メロディは基本的に他の駅と同じ「線路は続くよどこまでも」が使用されているが、『全国高等学校野球選手権大会』や『選抜高等学校野球大会』の開催期間中に限り、メロディが変更されることがある。大規模改修工事に入る前は、上り・下りとも乗車ホームには西改札側に辛うじてスペースを確保してエスカレーターを1台ずつ設置したものの、駅の構造上エレベーターが設置しにくくバリアフリー面で問題があることや、通常でも1日5万人、甲子園球場でのタイガース公式戦や高校野球などの開催日には1日10万人もの乗降客がある駅ながらホーム幅員は5.6mと狭く、かねてから乗客の列車との接触やホーム下への転落など事故の危険性が指摘されてきたことを受けて、2011年秋から2017年春にかけて、鉄道駅総合改善事業として国土交通省などからの補助を受けてホーム・構内通路・改札口などの改修工事にとりかかることが決定した。なお、先に駅改良工事を行った尼崎駅同様に、駅関連施設は神戸高速鉄道に譲渡し阪神が工事を受託する形で行われている。総工費は54億円。改修内容は以下の通り。この他、島式ホームでは、旧ホーム屋根は撤去した上で、大屋根からはみ出る部分には新たな屋根を設置し、大屋根にかかる部分には時刻表・時計や発車案内板を吊るす柱を設置した。また、足元には神戸三宮駅に設置されている発光式列車案内表示器を設置する。それ以外にも、隠しアイテムとして、大屋根に張り巡らされた鉄製の梁を結び付けている338個の鉄の球体の中に、白球をプリントしたシートが巻かれた球体が据え付けられている。併せて周辺整備では、駅下を通る県道の桁下を現在の4.1mから4.5mに嵩上げすることになっている。2014年度の乗車人員は、阪神本線の中間駅としては三宮駅に次ぐ28,052人である。各年度の1日平均乗車・乗降人員数は下表のとおり。周囲には住宅地が広がっており、大正期に私鉄によって開発された、典型的な阪神間モダニズム文化圏の住宅地で、近畿においては西宮七園の一つとして知られている。その他甲子園球場自体も大正期の近代建築であるほか、大正末期から昭和初期にかけての邸宅建築が多く現存し、武庫川女子大学の甲子園会館(旧甲子園ホテル)も、日本建築史上に名高い。西宮市南東部の最主要駅であり、南北方向への路線バスが頻発するほか、近隣のスパ施設(「リゾ鳴尾浜」や「熊野の郷」)や自動車教習所などへの無料送迎バス、フジッコ・協同食品センターなどの工場への従業員専用送迎バスなども多く発着する。なお、駅前は阪神バスが占有使用しているため、これらの送迎バスは西口側の本線高架下や、駅南方の国道43号の(甲子園筋と立体交差する高架道の)側道で乗降を扱うことが多い。東口側バスターミナルの東側、バス案内所の裏手付近は部分的に地面が高く、数本の大きな松の木が生えているが、これは枝川(廃川となり現在は甲子園筋になっている)の左岸堤防の一部が残されているものである。バスのりばは、南行が東口側、北行が西口側と分かれている。案内所などの主要機能は東口側にある。阪神バス空港リムジンバス阪神バス阪神電鉄バスの大阪ローカル線(現在の阪神バスの野田甲子園線)は、かつては東口側(現在の5番のりばの位置)から発車していた。甲子園筋の交通量が少なかった時代は、のりばから直接Uターンして北方へ向かい、交通量が多くなってからは現在のおりば → のりば(6番・7番→11番)回送ルートと同じ、甲子園警察署前から国道43号線の高架下を回って北へ向かうコースを走っていた。後に、のりばが西口側の11番に移動し、現在の形態となっている。リゾ鳴尾浜の送迎シャトルバスは、以前は阪神電鉄バスを借りて運行されていた。660号が専用塗装となり主に充当され、6番のりばに発着していたが、これは2002年3月で運行を終了し、以後はリゾ鳴尾浜が自家用の中型ノンステップバスにより運行している。また、以前は夜行高速バス「トワイライト神戸号」(九州産交バス運行)や「アンカー号」(京浜急行電鉄・阪神共同運行)も発着していた。第1回近畿の駅百選に選定されている。
出典:wikipedia
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