このまちだいすきは、1992年4月8日から1999年3月19日までNHK教育テレビで7年間にわたって放送されていたテレビ番組。小学校段階の教科「社会」のうち、第3学年で行う学習を対象とする学校放送番組(教育番組の一種)である。番組における設定と内容(プロット)は、宇宙アカデミーの卒業試験として(第1シリーズ - 第4シリーズ)、または宇宙ライブラリーの調査員として(第5シリーズ)、地球に来た異星人の主人公が、特定の地域に住みこんで地域の情報や仕事などを報告するというものである。番組の製作については、番組の音楽担当に山本正之を起用したり、様々な他局のテレビ番組のパロディを取り入れるなど、意欲的な態勢であった。この番組の前身は、チョーさん(長島雄一)が出演した『たんけんぼくのまち』である。この「たんけんぼくのまち」と同様に、当番組では、主人公がその時々に抱いた疑問を自分の力で主体的に解決していくという問題解決学習の姿勢が描かれていた。視聴者の問題解決学習を支援するものでないものの、番組中の主人公が試行錯誤をしながら問題解決に至るという物語を見ることで、視聴者は、気づきにくい意外な物事の盲点を知る(あるいは改めて認識する)事ができた。この番組が好評であった理由は、ストーリー仕立て、主人公のキャラクターへの親密感、笑いをとることなどで視聴対象者の児童を飽きさせなかったことにもあるが、表面的な知識の提示を避けて幅広い事項を扱うことで、日常生活を豊かにする知識が視聴者に伝えられていたことにもある。なお、多様な社会事象を扱うというコンセプトについては、後身の『まちへとびだそう』という番組にも引き継がれている。第1シリーズは、2年間にわたる製作・放送であった。主人公はシラベル(東善智、現・アズマッチ)であり、下宿先は、元小学校教諭の年配夫婦宅であった。第1シリーズには、本作音楽担当の山本正之や作家の志茂田景樹、担当プロデューサーの佐々木和哉をはじめとする多彩な特別出演者などによって、印象深い場面が多い。このため第1シリーズは、「このまちだいすき」の中核をなすものといわれている。また、第1シリーズにおいては、銚子市の紹介に貢献したということで、同市から主人公の「宇宙人シラベル」に対して感謝状が贈られている(番組内では、表彰の模様が放送された)。第1シリーズ中、1年目に放送された作品は、これまでの学校放送番組をある程度厳格に踏襲していたが、2年目に放送された作品からは、学校放送番組の既成概念を超える娯楽的な要素が数多く取りこまれたといわれている。娯楽的な要素として主にあげられる事項には、サブタイトルにアニメ『機動戦士ガンダム』の各話サブタイトルをもじって付けたり、かつての日本テレビ系ドラマ『探偵物語』のパロディ、日活映画『渡り鳥シリーズ』のパロディ、加えて当時流行ったフジテレビの深夜番組『カルトQ』をもじった「銚子タルトQ」(出題問題の中に、日本テレビ『クイズ世界はSHOWbyショーバイ!!』の「何を作ってるんでしょーか?」クイズや、TBS『クイズダービー』、テレビ朝日『クイズヒントでピント』のパロディ部分も登場)などがあった。また、最終回は丸々『ウルトラセブン』(TBS)最終回のパロディだった。このような娯楽的な要素については、視聴対象者の児童のほか、教員にも親しまれる番組をめざすために企画されたものなのではないかという説がある。なお、「渡り鳥シリーズ」のパロディ回には番組プロデューサーが出演し、また、相手役「エースのチョー」(宍戸錠演じる「エースのジョー」のパロディ)は、前身番組「たんけんぼくのまち」の主人公・チョーさんこと長島雄一が演じていた。実は会社社長という設定であり、チョーさんのその後と考えることもできる。第2シリーズは、1年間の製作・放送であった。主人公はサガセル(大塚寛)であり、下宿先は、仏教寺院であった。また、第2シリーズは多彩なパロディに満ちており娯楽的な要素が強かった。サガセルがあこがれる女性として「よしこ」が登場し、しばしば競馬情報の放送を担当していた結城未来が演じた。主人公のサガセルが、よしこと親しくなりたいあまりに女子大生との合同コンパ(合コン)を催し、口説く場面もあった。また、最終回はサガセルとよしことの恋愛物語に徹し、ほとんど社会科的要素を含まないという教育番組として異色の回であった。第3シリーズは、1年間の製作・放送であった。主人公はシラベラ(川崎香)であり、下宿先は当初造り酒屋の店主宅だったが、1学期最後の第8話で彼の甥一家が経営する簡易郵便局を兼ねる商店に変更になった。なお、シラベラは、第1シリーズの主人公であったシラベルの妹という設定であった。このシリーズでは、兄のシラベルを主人公としていた第1シリーズと同様にパロディとして、テレビ東京系『プレイガールQ』のもじりがあった。なお、シラベラの役を担当した川崎香は、取材記者(レポーター)やディスクジョッキー(DJ)として現在活躍している。尚、途中で下宿先が変わったのは、おじさんを演じていた人物が放映期間中に逝去してしまったため。第4シリーズは、2年間の放送であった。最初の1年目の放送分については、年間を通して製作され、2年目の放送分については、再放送と新作を半々ぐらいにおり交ぜて放送された。主人公はマナベル(野地将年)であり、下宿先は、年配夫婦が経営する乾物店であった。また第4シリーズには、第2シリーズのようにマナベルがあこがれる女性「ゆきの」が登場した。また、マナベルのほかに宇宙アカデミーから地球に来た女子生徒・イズタン(伊藤いずみ)が、このシリーズにのみ登場し、第3シリーズで主人公を演じたシラベラが、宇宙アカデミーの先輩として登場した(畑のしごと(1996年11月26日放送)による)。第5シリーズは、1年間の製作・放送であった。このシリーズでは、番組の設定が大きく変更され、主人公は、宇宙ライブラリーから「宇宙大百科事典」を制作するために地球に派遣された調査員とされた(ちなみに、過去の主人公は宇宙アカデミーを卒業して地球以外の調査員として活躍している設定)。主人公はアチコチ(ロケットりょう太)であった。下宿先は、喫茶店を経営する年配夫婦宅。地球上のアチコチは、上司のセッカチーフ教授(青野武)の他に、黄色いオウム型ロボットのウォッチ鳥(声:小田木美恵)の監視下におかれていた。また、長島雄一が「星チョースケ」という役名の主人公の父親として出演。『巨人の星』の星一徹を彷彿とさせるシゴキをアチコチに与えるため、しばしば宇宙からやってきていた。「このまちだいすき」
出典:wikipedia
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