比較言語学(ひかくげんごがく、英語:comparative linguistics)とは、言語学(歴史言語学)の一分野であり、親縁関係や同系性が推定される諸言語を比較することにより、同系性や親縁性(語族、語派)を見出したり、あるいは共通祖語を再構したりしようとする学問。インドからヨーロッパの言語をまとめた「インド・ヨーロッパ語族」(印欧語族)に関するものが代表的。一方、歴史的関係の解明を目的とせず、複数の言語を比較する研究は対照言語学と呼ばれ区別される。印欧比較言語学への批判としてはフーゴ・シューハルト(1842-1927)の批判がある。そもそも比較言語学の研究方法が可能であったのは、比較対象であるそれぞれの言語が相互に比較できるほどの類似点を備えかつ独自の構造を持っていて、さらにそれらがほかの言語と混じり合うことなく、固有の発展を経てきたという前提に立つからである。しかし言語が相互に影響しあったり混じり合うという合成物であるとしたら、この方法は成立しない。シューハルトは比較言語学の静態的な前提でなく、言語は変化する動態的な存在であるとして、クレオール言語学への道を開いた。むろんこうした批判をもって比較言語学が無効とするのは不当であり、比較言語学がこれまでに言語研究を深化させたことは否めない。シューハルトとは直接的な関係はないものの、20世紀の言語研究において、たとえばノーム・チョムスキーの生成文法論やローマン・ヤコブソン・クロード・レヴィ=ストロースら構造主義の理論的進展によって、言語構造の内在的分析が重視され、比較言語学は旧態として批判的に受容されたこともあった。また、少数言語が滅亡していくなか、フィールドワークや現地調査が優先され、比較言語学的な系統論はこれまで軽視されることもあった。たとえば「アルタイ言語学」などの日本語系統論は戦前の政治的な背景を想起させるため戦後は忌避される傾向が強く、現在にいたっている。しかしアメリカやロシアの言語学ではアルタイ諸語の比較研究は現在でも継続されている。以下、西欧における比較言語学について記述する。日本における比較言語学については項目日本語の起源などを参照。
出典:wikipedia
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