『耳をすませば』(みみをすませば、英題:)は、柊あおいの漫画作品、およびそれを原作とした近藤喜文監督、スタジオジブリ製作の劇場アニメ作品。原作漫画版とアニメ映画版では設定や展開が異なる。アニメ映画版では、背景美術として東京都多摩市と同武蔵野市を描写した絵柄が多く見られる。『りぼん』1989年8月号 - 11月号にて連載。1990年、りぼんマスコットコミックスにて単行本化。2005年、文庫本(コミック版)にて発売。全1巻。「耳をすませば〜幸せな時間〜」同時収録。読書が大好きな中学1年生の少女、月島雫(つきしま しずく)。雫は愛読書の図書貸し出しカードに天沢聖司(あまさわ せいじ)という名が度々あることに気がつき、知らない彼への思いをめぐらす。そんなある日、電車の車内で出会った猫に導かれ、地球屋という不思議な店に迷い込む。『りぼんオリジナル』1995年8月号に掲載。1996年りぼんマスコットコミックスにて単行本化。全1巻。「桔梗の咲く頃」同時収録。中学生最後の夏休み。「受験生」という立場を持て余し気味の雫はちょっと憂鬱。そんな時、空から降ってきた不思議な羽を拾う。その本体である翼について調べるうちに「猫の図書館」に行き着く。1995年7月15日公開。同時上映は『On Your Mark』。キャッチコピーは「好きなひとが、できました」(糸井重里)。近藤喜文の「最初で最後の監督長編作品」である。宮崎駿の義父が建てた山小屋には、彼の姪らが昔読んだ少女マンガ雑誌が残されていて、宮崎は毎年夏の休暇中にそれらを読むのが習慣だった。1989年の夏、雑誌がボロボロになったので、宮崎が農協のスーパーで新しいのを買ったところ、2度目に購入した雑誌に原作漫画の連載2回目が掲載されていて、これに興味を持ったのが制作のきっかけとなった。一方『耳をすませば』の文庫本に掲載されている鈴木敏夫の解説によれば、山小屋とは宮崎の義理の父親のアトリエであり、雑誌は宮崎の姪らが昔に読んだ雑誌だったという。休暇を共にしたスタッフで『耳をすませば』の一部から全体がどんな話なのかを膨らませていったといい、実際に宮崎が原作を全編通して読んだとき「ストーリーが違う」と怒ったという。原作者の柊あおいは、以前から宮崎のファンであったが、宮崎が本作品の映画化を希望しているという話を担当からの電話で聞いた際、それが信じられず、思わず「冗談でしょ」と返事をしたという。日本の映画では、初めてドルビーデジタルが採用されたことで知られる。1994年10月にアメリカ・ドルビー・ラボラトリーの副社長がジブリを訪ね、宮崎に「日本のスピルバーグといったらアナタでしょう。アナタが音を良くしようと思わなければ、日本の映画の音は一向によくならない」と言われ、宮崎は「よし、じゃあ今回はぜひ、そのドルビーデジタルを使ってみよう。それだけじゃなく音作りの面にたっぷり時間をかけて、今までにない、いい音を作っていこう」と答え、日本初のドルビーデジタルが採用された映画となった。ただし、当時ドルビーデジタルに対応した映画館はごく少数しかなかった。作中にはいくつかの古楽器が登場する。ヴィオラ・ダ・ガンバ、リコーダー、コルネット(ツィンク)、リュートなどである。作中の「牢獄でヴァイオリンを作る職人」の挿絵は、宮崎駿の次男である宮崎敬介の作品である。月島雫は読書が好きな中学3年。ある日、父の勤める図書館で自分が借りた本の読書カードにいずれも「天沢聖司」の名前があることに気がつく。夏休み、雫は学校の図書室で本を借りるが、その本を寄付したのも「天沢」という名前の人物だった。学校のベンチで雫は親友の夕子に依頼されていた『カントリーロード』を和訳した歌詞を渡すと、夕子はラブレターを貰ったが、自分は雫の男友達でもある野球部の杉村が好きなのだと告げる。その後、雫と夕子は2人で帰ろうとするが、本を忘れた雫がベンチに戻ると、見知らぬ男子生徒が雫の本を読んでいる。彼は「コンクリートロードはやめたほうがいいと思うよ」と雫の歌詞を揶揄する言葉を残して去っていく。ある日、雫は父親に弁当を届けるために図書館へと向かうが、電車の中で不思議な太った猫を見つけ、追いかけるうちにロータリーの前にある小さな古道具屋「地球屋」を見つける。雫は店内で猫の人形「バロン」や古時計など様々な品物を店主の老人・西司朗に紹介してもらう。その後、雫は図書館へと戻るが、雫が忘れた弁当箱を届けにやってきたのは、またしてもあの男子生徒だった。新学期が始まり、雫は本を寄付した「天沢」の末っ子が学校の同じ学年にいることを知る。試験の後、夕子は杉村に声をかけられる。その夜、夕子から電話がかかってくる。杉村はラブレターを夕子に渡した男子から、返事を聞いてくれと頼まれたといい、夕子はショックを受けて泣きはらす。翌日、雫は杉村に、夕子は杉村のことが好きなのだと告げると、杉村は自分は雫が好きだと告白する。動揺した雫は「地球屋」に向かうが店は閉まっている。店の前で太った猫に話しかけていると、あの男子がやって来る。彼は猫をムーンと呼んでいると話し、雫を店の中に案内する。雫が地下に降りると、彼は工房でヴァイオリンを作っている。彼はヴァイオリンを弾き、雫は『カントリーロード』を歌うと、西老人とその仲間が帰ってきて、一緒に演奏する。そこで彼が西老人の孫であり、「天沢聖司」だと知る。2人で帰る途中、聖司はヴァイオリン職人になるためにイタリアへ留学したいという夢を雫に語る。季節は流れ、聖司はイタリア留学の許しを親に得たと雫に話し、聖司は前から図書カードで雫のことを知っていたと言う。確固たる夢に向かって進んでいく聖司と目標のない自分を比べて劣等感を覚える雫だったが、やがて自分のやりたいこと、「物語」を書こうと決心する。聖司は卒業を待たずイタリアに旅立つ。雫は物語の執筆に没頭したせいで成績を落とし、姉に説教されるが、父は雫のやりたいようにやらせようと言う。やがて雫は作品を書き終え、西老人に渡して読んでもらう。それは人形のバロンを主人公にした物語だった。西老人は雫を讃え、バロンにまつわる物語を話す。翌朝、雫のアパートの前に、一時帰国した聖司がやってくる。雫は聖司の漕ぐ自転車の後ろに乗り、街を見渡せる高台に行き、2人で夜明けを眺める。聖司は自分が一人前のバイオリン職人になったら結婚しようと言い、雫は肯く。その他、アニメ映画版では、先生役に岸部シローや笛吹雅子(数学担当)。作中のテレビの野球放送で解説者として江川卓、実況アナウンサーとして小川光明が出演している。(日本国内)作中で雫は図書カードに書かれた名前から、聖司に興味を持つといった描写がされているが、この貸出方式(ニューアーク方式)はプライバシー保護の観点から、公開当時には使用されていないものであった。日本図書館協会は抗議を行い、DVD化の際にはテロップが挿入されている。劇中で雫が通っている学校は小金井市立小金井第一中学校がモデルである。原作では「緑町立向い原中学校」となっているが、小金井市には実際に「緑町」という地名が実在する。また、スタジオジブリの制作スタジオがあるのも小金井市(地域は梶野町)である。ただし、原作は映画よりも古く、スタジオジブリによる映画化を意図して作られたものではないので、スタジオジブリの制作スタジオがある小金井市に緑町が実在するというのは全くの偶然である。実際の街並みなどは、東京都多摩市の京王線聖蹟桜ヶ丘駅周辺をモチーフにしている。作中に登場する電車は京王線の鋼製車両のようなデザインをしており、作中で雫とムーンが電車を降りる「京玉線 杉宮駅」は京王線聖蹟桜ヶ丘駅と酷似している。雫がムーンを追いかけているうちにロータリーにたどり着くが、これも実在し、このロータリーから聖蹟桜ヶ丘駅までの街並みが作中でよく登場する。このことから、聖蹟桜ヶ丘駅西口広場の交番横には中央商店会により「耳をすませばモデル地案内マップ」が設置されている。劇中に登場する「地球屋」のモデルは「桜ヶ丘 邪宗門」という喫茶店であるが、店は2012年10月に店主の逝去に伴って廃業となり、現存しない。ロータリー付近には「ノア」という昔からの耳すま好きのオーナーの喫茶店とケーキ屋があり耳すまクッキーやケーキがおいしいと評判、隣には「和桜」という土日の昼が喫茶店で、土日と平日の夜が日本料理屋のお店があり、「和桜」の夫妻が天沢聖司 月島雫夫妻にすごく似ていると評判。店の中もアンティークで土日や平日の夜の時間帯の日本料理の味はファンやご近所でも大評判。また土日の昼間の喫茶メニューに出る健康茶は人気で喫茶時間帯にアルコールも飲めるので店内は耳すまファンの方々と交流ができる場所としてファンの間で知られている。実際に奥さまは大の耳すまファン。また隣の喫茶店「アトリエタッセル」のオーナーは雫の母親に似ているため雫ファンが昼間に多く訪れる。そこのケーキやコーヒーがおいしく、店内に置いてある手作りの雑貨も人気で「ノア」や「和桜」、「アトリエタッセル」は多くの耳すまファンから愛されており、耳すまのモデルの地球屋のロータリーの街に行ったらこの3軒を訪れるのがファンの間で人気である。また上記の「ノア」がファンのために耳すまノートが「ノア」に在るが、この店には当作のファンが自由に書き込みできる「耳ノート」というファンノートが設置されており、店内にはバロンの置人形もある。以上のことからノアが地球屋のモデルであると誤解されることが多いが、ノアは地球屋のモデルではない。「耳ノート」はノアの店主が始めた企画ではなく、元は当作のファンによる有志で始められたものであり、聖司が雫にプロポーズした場所のモデルとなる所に設置されていた。ところが、心無いファンによって場所(所謂「聖地」)が荒らされたり、ノートを持ち去るなどの悪質な行動が後を絶たず、事態を重くみた自治体によってフェンスが設置されたため、立ち入りできなくなってしまった。そこでノートの設置場所を移設せざるを得なくなり、新たな設置場所を求めていたときに設置を快諾したのがノアの店主である。以降はノアの店内に常設されることとなり、ノアは大いに繁盛した。現在、ノアはジブリから許可を得て当作の関連グッズやお菓子を販売する権利を得ている。柊あおいの漫画を田中雅美が小説化したもので、1995年6月集英社コバルト文庫より出版されている。なお、現在は絶版になっており、新刊書店に注文を依頼しても出版社から取り寄せることは出来ない。また、映画の公開に因んで執筆されたものであるため、内容は原作版と映画版が混在したような作風である(登場人物とその身分、目指すもの(夢など)の設定は原作版をベースとし、ストーリーの展開は映画版をベースとしている)。
出典:wikipedia
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