快速特急(かいそくとっきゅう)または快特(かいとく)は、日本の私鉄で使われている列車種別の一つである。いずれも特急より停車駅が少ない列車として運行されている。なお通例では、快特は快速特急の通称・略称として説明されていたが、京浜急行電鉄では、快特が正式名称である。本項では、京浜急行電鉄に種別を合わせて設定された京成電鉄を除き、各社の運行開始順に記述する。快特(かいとく)は、京浜急行電鉄の列車種別の一つ。「特急より停車駅が少なく目的地に速達できる列車」として京浜急行電鉄では広告している。現行の名称は1999年より使用しているが、従前では快速特急と称していた。なお、その後も一部の利用者の間では、「快速特急」と呼ばれたり、本線系統では早朝・深夜のみ運転(平日は朝夕ラッシュ時も運転)の「特急」と呼ばれたり、京急線では運行されない「快速」と呼ばれている。なお、京急では快特・エアポート快特(後述)・特急ともに英語表記には「Limited Express」が用いられているが、女性専用車の試験導入告知では種別表示の色から快特は「Green Limited Express」、特急は「Red Limited Express」が用いられている。また、京急と相互直通運転を行う都営地下鉄浅草線内の駅ホーム発車案内では(後述の京成線内の快特を含めて)「Rapid Express」と表記されているほか、京急でも一部駅ホームの時刻表等においては「Rapid Express」が用いられるなど、統一されていない。また、京急の駅時刻表などには各種別の英語表記の後に「KAITOKU」、「AIRPORT KAITOKU」、「TOKKYU」とローマ字の表記が付け加えられているものもある。また同時に急行と普通にも「KYUKO」、「FUTSU」とローマ字表記が付け加えられており、京急線各駅で配布されている『京急沿線MAP』の英語版『Keikyu Line Guide Map』(他に朝鮮語版、中国語版もある)では、「Rapid Limited Express」(快速特急)と記されている。「快速特急」の列車種別は、最初は京急のみであったが、京急の設定の1年後の1969年に名鉄の初代快速特急(後述)が設定された後、その翌年の1970年の名鉄の初代快速特急廃止後は、2001年に阪急が設定するまで、長らく京急のみで設定されていた。なお、この列車種別を基にした列車種別として以下のものある。基本的に日中の久里浜線直通系統は、10分毎に京急線内折り返し列車と都営浅草線・京成線直通列車が交互に運転され、空港線直通系統は10分間隔に都営浅草線・京成線直通列車(40分に1本の割合でエアポート快特)が運転される。北総線直通快特は都営浅草線・京成線・北総線内は普通として運転されるが、青砥 (一部京成高砂) 発着の快特は都営浅草線内エアポート快特・京成線内快速特急として運転される。対してエアポート快特は都営浅草線内もエアポート快特として運転され、京成線内では「アクセス特急」とし、成田空港(成田スカイアクセス線経由)まで運転される。1999年から2010年5月16日までは、日中時間帯の京急川崎駅以南の本線・久里浜線では快特と普通のみのダイヤとなっていた。なお、京急線には「特急」も一部時間帯に限って存在するが、「快速」は過去も含めて2016年5月現在存在していない。なお、停車駅等詳細は京急本線を参照。京急久里浜駅・三崎口始発・終着の列車は自社の車両を中心に運用されているが、空港線直通列車は東京都交通局所属車両(5300形)や京成電鉄・北総鉄道所属車両など乗り入れ各社局の車両を中心として運行されている。朝ラッシュ時には上り快特6本(金沢文庫駅まで特急の「B快特」、品川まで12両編成)の品川方先頭車が女性専用車となっている。専用車両は代々クロスシート車両が使用されている。運用の都合などでロングシート車両の1000形が使用されることもあったが、2000形の増備が完了すると、日中の快特はクロスシート車両で統一された。ただし、浅草線直通列車は快特格上げ後も主にロングシート(車端部のみ固定クロスシートの車両も含む)車両を使用しており、現行ダイヤで全座席クロスシート車両を使用している快特は日中でも全体の半数ほどである。また、専用車両である2100形はすべて8両編成であることから、12両編成で運転される場合は4両編成の他形式の車両を併結する。京成電鉄の快速特急は、2006年12月10日のダイヤ改正で「特急」の本線京成佐倉駅以東を各駅停車化したことに伴い、従前の「特急」の代替となる列車として運行を開始した。停車駅は改正以前の「特急」と同一である。朝の上り列車と夕方以降の下り列車のみの設定で、都営浅草線方面直通運用と、京成上野駅始発・終着運用の2系統がある。この結果、上位種別から順に快特・特急・通勤特急・快速(エアポート快速)・急行・普通となった(急行は押上駅 - 京成高砂駅間のみ)。英語表記は京急と同じく、快速特急と特急のいずれも「Limited Express」が用いられ、都営浅草線内の駅ホームの発車案内でも京急線内快特と同様に表示されているが、かつては表記が「Rapid Express」だった。また、相互乗り入れを行っている芝山鉄道線でも同日から運行を開始している。相互直通運転を行っている京急の種別に合わせたため当初は「快速特急」ではなく「快特」とされた。しかし、京成には快特と発音が極めて近い「快速」(かいそく)も存在し、この「快速」と「快特」の似た発音を原因とする判りにくさから、利用者からの改善要請もあり、2007年8月16日から駅構内および車内においては、「快速特急」とアナウンスすることとなった。この当時は発車標や種別表示器などは引き続き「快特」が使用されていたが、2000年代後半以降に導入されたフルカラーLED式やLCD式の発車標では「快速特急」と表記するようになったほか、従来からのLED式発車標や種別表示器についても字幕式・LED式ともに「快速特急」に変更されるなど、徐々に「快速特急」に表記が統一されている。2010年7月17日のダイヤ改正で「快速特急」が正式種別名となった。ただし、都営線から直通する列車の都営線内の案内は「快特」のままである。また、押上駅では、都営浅草線を経由して京急線へ直通する列車のうち、京急線内で快特運転する列車は、京急線の案内に合わせ「快特」と案内される。快速は種別色がピンク、快速特急は緑であるが、3色LED式種別表示器を使用する車両(3000形や3700形、都営5300形)の場合は快速・快速特急の双方とも緑色で表示され、上述の発音と相まって非常に紛らわしいため、京成電鉄所属車については種別表示器を順次フルカラーLED式に交換している。ただし、2013年まで運行されていた「エアポート快速」はフルカラーLED式でも緑色で表示されていた。ダイヤグラム上では従来快速特急、特急などを含め「特別急行列車 (B) 」が正式な名称であったが、後に「快特列車」と表記されるようになり、前述の2010年7月17日ダイヤ改正より快速特急はダイヤグラム上も「快速特急列車」と表記されるようになった。名古屋鉄道では2005年1月29日より快速特急(2代)の運転を開始した。日本語の正式名称は「快速特別急行列車」。英語表記はRapid Limited Express。空港線開業時に中部国際空港へのアクセスの速達化を図るため、それまで運行されていた名古屋本線・常滑線の「特急」を「快速特急」と「特急」に分割したものである。なお、常滑線から犬山線や広見線へも新設されたが、名古屋本線の神宮前駅以北や犬山線・広見線内での停車駅は特急と同一である。なお、名古屋鉄道で初めて「快速特急」の名称が登場したのは1964年のダイヤ改正で登場した三河線支線直通列車で、支線区に限って「特急」の行先標上に「快速特急」の表示を掲示していた。当時は正式な種別ではなかったが、名古屋鉄道の快速特急の嚆矢となった存在である。続いて1969年より1970年までの間、今度は正式な列車種別として名古屋本線で運転される特急のうち、知立駅を通過する列車を初代の「快速特急」と称していた。ただし、この初代の快速特急では、上記の支線直通特急とは逆に、時刻表や駅の発車標、および案内放送では「快速特急」と案内されていたが、車両側の種別表示は「快速特急」や「快特」が用意されておらず、特急と共用の「特」であった。その後2005年のダイヤ改正で現在の快速特急(2代)が設定され、35年振りに快速特急の列車種別が復活した。2代目の快速特急では、初代とは異なり、列車種別表示に「快特」および「快速特急」(後者の表示は2000系以降の車両および1700系のみ)が用意された。名古屋本線では、従来の特急の標準停車駅のみに停車する列車を「快速特急」とし、加えて新安城駅と国府駅にも停車する列車を「特急」とした。ただし、国府駅や伊奈駅、笠松駅に特別停車する列車も設定されている。なお、名古屋本線の名鉄岐阜駅 - 豊橋駅間で運行される快速特急は、特別車両券「ミューチケット」を必要とする「特別車」と、必要としない「一般車」が併結された「一部特別車」編成である。常滑線と新規に開業した空港線では、中部国際空港のアクセス特急として神宮前駅 - 中部国際空港駅間をノンストップで運行する列車を「快速特急」とし、途中の太田川駅、尾張横須賀駅、朝倉駅、新舞子駅、常滑駅に停車する列車を「特急」とした。空港線直通快速特急の車両は、空港線開業とともに新造した全車特別車編成である2000系電車「ミュースカイ (μ-SKY)」が使用される。2008年12月27日より、中部国際空港駅発着の2000系を使用した定期運用の全車特別車列車はすべて「ミュースカイ」へと列車種別名が変更された。同時に河和線と知多新線にも、わずかではあるが一部特別車の快速特急が設定された。その結果2010年時点のダイヤにおける快速特急は、名古屋本線、犬山線、広見線(犬山駅 - 新可児駅間)、常滑線(神宮前駅 - 太田川駅間)、河和線、知多新線のみの設定となっていた。名鉄名古屋駅以北での停車駅は特急と同じで、実質的な差は豊橋駅・河和駅 - 名鉄名古屋駅間のみである点は従来通りである。なお、河和線と知多新線では、従来の特急の標準停車駅のみに停車する列車を「快速特急」とし、加えて阿久比駅と青山駅にも停車する列車を「特急」とした。ただし、美浜緑苑駅や河和口駅、青山駅、巽ヶ丘駅、南加木屋駅に特別停車する列車も設定されている。2011年3月26日に実施されたダイヤ改正で常滑・河和線系統と広見線での設定が消滅したほか、特急に代わる形で豊川線に平日朝に名鉄名古屋方面行きが2本新規設定された。ただし豊川線における快速特急の設定は標準停車駅扱いではなく始発駅の豊川稲荷駅を含む豊川線内各駅(稲荷口駅・諏訪町駅・八幡駅・国府駅)および名古屋本線の急行停車駅(本宿駅・美合駅)に特別停車するという位置付けである。阪急電鉄では2011年5月14日から阪急京都線において土休日のみ快速特急の運転を再開している。なお、同線では2001年3月から2007年3月16日まで定期運行していた列車の種別に快速特急が存在していた。西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線(JR京都線)新快速への対抗措置により京都本線で昼間時の特急停車駅を増加させたため、それまで運行されていた「快速急行」の種別名を快速特急に変更した。そのため、停車駅や所要時間は快速急行時代と変わらない。朝夕のラッシュ時のみの運転であり、平日の朝ラッシュ時にはより停車駅が少ない「通勤特急」が運行された。2007年3月17日のダイヤ改正により、「通勤特急」と統合され運行休止となった。その後、2010年から春秋の行楽シーズンに梅田駅および河原町駅と嵐山駅を結ぶ直通臨時列車として3年ぶりに「快速特急」の種別が復活した。そして2011年5月14日からは6300系リニューアル車「京とれいん」を導入し、土曜日・休日ダイヤの定期列車として4往復の運行を開始した。途中停車駅は十三駅・淡路駅・桂駅・烏丸駅で、大阪市内と京都市内の間を無停車で運行する定期列車としては14年ぶりの復活となる。ただし、定期運行の特急のすぐ後ろを走り、特急を追い抜かない続行運転のダイヤであるため所要時間は特急とほとんど変わらず、また車両も代走時を除いては115km/h運転に対応していない6300系を使用しているため、河原町駅 - 梅田駅間の所要時間は特急より2分遅い44分である。京阪電気鉄道京阪本線では、通常の特急より停車駅が2駅少ない種別として2003年に設定された「K特急」を、2008年10月19日の中之島線開業に伴うダイヤ改定より「快速特急」に名称変更する形で設定された。平日夕方ラッシュ時の京都方面行き限定種別として運行されていた。運行区間は淀屋橋駅→出町柳駅間であり、停車駅はそれまでのK特急(枚方市駅・樟葉駅通過)と同一であるにも関わらず、所要時間は通常の特急と同一であったが、その後のダイヤ改正により、現在では停車駅は嘗ての京阪特急と同じく京橋駅→七条駅間ノンストップとなり、通常の特急より所要時間が5分ほど短縮されている。全列車が8000系により運行されるが、代走として9000系などで運行されたこともある。2009年12月には臨時列車ではあるが下りの快速特急が出町柳駅→中之島駅間で運転されていた実績もある。2011年5月28日改正で完全廃止され、大阪市内と京都市内を無停車で定期運行する特急は61年の歴史に幕を下ろした。2011年10月22日 - 12月4日までの期間の土曜日・休日に運行された、京橋駅→七条駅間ノンストップの臨時列車は「快速特急」の種別表示を掲出した。2016年3月19日改正で土曜・休日ダイヤのみ、大阪市内と京都市内とを無停車で定期運行する快速特急が5年ぶりに復活し、定期列車となった。現在でも、土曜・休日ダイヤの祇園祭宵山実施日などの夕方には、大阪市内→京都市内の片道のみではあるが、臨時の快速特急が運転されることもある。
出典:wikipedia
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