伯備線(はくびせん)は、岡山県倉敷市の倉敷駅から新見駅を経て、鳥取県米子市の伯耆大山駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(幹線)である。山陽地方と山陰地方を結ぶ陰陽連絡路線の一つであり、中国山地を越えて鳥取県(伯耆国)と岡山県(備中国)を結んでいる。陰陽連絡路線では初めて電化や改良工事が行われるなどし、陰陽連絡路線では最も運転本数が多い。倉敷駅 - 新郷駅間は高梁川水系、上石見駅 - 伯耆大山駅間は日野川水系に沿って走行し、曲線と急勾配が多い。倉敷駅 - 新郷駅間はJR西日本岡山支社が管轄、上石見駅 - 伯耆大山駅間は同米子支社が管轄している(両支社の境界は新郷駅 - 上石見駅の中間付近で、谷田トンネルの新見寄り出入口の手前にある)。2016年春から導入された路線記号はV、ラインカラーは緑色()。この路線記号とラインカラーは、当初は岡山・福山エリアとして新見駅以南のみを対象とする予定であったが、後に山陰エリアとして新見駅以北も対象に加えられ、事実上全線通しで適用されることが決まった。倉敷駅 - 備中高梁駅間がIC乗車カード「ICOCA」の岡山・広島エリアのうち、岡山・福山地区に含まれている。また、2016年12月に岡山・広島エリアのうち、松江・米子・伯備地区として、備中高梁駅 - 伯耆大山駅間の特急停車駅にも拡大する予定である。瀬戸内側の倉敷駅では4番のりばから発車し、右に大きくカーブをして北上する。ほどなくして高梁川が左手に見え、新見駅まで高梁川の渓谷を遡る。総社駅を出ると谷間に入り、豪渓駅 - 新見駅間は国道180号とともに高梁川の渓谷を眺める車窓が続く。このうち、井倉駅 - 石蟹駅間は高梁川が最も蛇行する区間で伯備線もその流れに沿って運転されていたが、複線化に伴い経路が変更された。旧線跡は自転車道に転用されている。新見駅は姫新線・芸備線の列車が乗り入れ、かつては新見機関区も設けられた交通の要衝であった。芸備線は新見駅の2つ先の備中神代駅から分岐している。新郷駅 - 上石見駅間にある谷田峠トンネルで岡山県から鳥取県に入り、日野川に沿って日本海側に至る。伯耆溝口駅を過ぎたあたりから右手には大山を見ることができ、米子平野の中を進んでいくと、米子自動車道が近づき、左に大きくカーブして西向きに変えると伯備線の終点である伯耆大山駅に到着する。山陽地方と山陰地方を連絡する列車として、岡山駅 - 出雲市駅間の特急「やくも」が約1時間間隔で1日15往復運行されている。また、東京駅 - 出雲市駅間の寝台特急「サンライズ出雲」も伯備線を経由する。普通列車は新見駅で運転系統が分かれているが、全線を通して運転する列車も2015年3月14日のダイヤ改正時点で上下1本ずつ設定されている。ながらく伯備線のみを走行する列車はなかったが、2014年3月のダイヤ改正で早朝4時台に1本備中高梁発の倉敷行きと5時台の折り返し倉敷発の西出雲行きが設定された。それ以外の列車は倉敷側は岡山駅、伯耆大山側は全列車が米子駅まで乗り入れる。さらに岡山駅からは山陽本線や赤穂線を介し姫路駅まで(かつては西明石駅まで)、米子駅からは山陰本線西出雲駅まで直通する列車もある。普通列車の車両の夜間滞泊は備中高梁駅と新見駅で行われている。1時間あたり岡山駅 - 備中高梁駅間は2本程度、備中高梁駅 - 新見駅間は1本程度(ただし1時間50分以上開く時間帯もある)の運転となる。編成は2・3・4・6・7両編成であり、2両編成の列車は一部列車をのぞいてワンマン運転を行う。平成初期には新見駅 - 岡山駅間にて快速列車が設定されていたこともあったが、現在は各駅停車化されている。なお、ドアの開閉は通年各駅半自動扱いとなる。また、清音駅 - 総社駅間は井原鉄道の第二種鉄道事業区間で伯備線と施設を共用しており、井原鉄道井原線の列車も運行される。ただしこの区間で井原鉄道の列車に乗車する場合、JRの乗車券は使用できない。新見駅 - 生山駅間は2 - 3時間に1本程度の運転で下り列車は最大4時間ほど普通列車が設定されていない時間帯がある。生山駅 - 米子駅間は1 - 2時間に1本程度運転されている。主に岡山支社岡山電車区所属の2両編成の115系電車を用いて、大半の列車がワンマン運転を行っている。なお、2014年3月15日のダイヤ改正で、新見駅 - 米子駅間の昼間と夜間の各1往復に岡山支社岡山気動車区所属のキハ120形気動車が投入された。新見駅 - 備中神代駅間には芸備線の列車が乗り入れ、途中の布原駅には芸備線直通列車のみが停車する。また、生山駅 - 米子駅間の夕方の1往復と平日22時台の米子発根雨行きの列車は米子支社後藤総合車両所運用検修センター所属のキハ121形気動車で運転されている。貨物列車も運転され、コンテナ車で編成された高速貨物列車が1日4往復設定されている。牽引機はEF64形電気機関車である。かつては、新見市内の駅からセメントや製鋼用生石灰などが発送されていたが、1986年までにすべて廃止された。伯備線の建設は南北から進められ、最初に開業したのは北側の伯耆溝口駅 - 伯耆大山駅間で1919年のことである。1926年に足立駅まで到達した。一方、南側は倉敷駅 - 宍粟駅(現在の豪渓駅)間が伯備南線として1925年に開業。以後順次延伸され、備中川面駅まで開業したのは1927年、備中川面駅 - 新見駅 - 足立駅間が開業し全通したのは1928年のことである。ローカル線規格の丙線として建設されており、陰陽連絡線としてはあまり重要視されてこなかった。しかし1972年の山陽新幹線新大阪駅 - 岡山駅間の開業により状況は一変し、米子・松江方面への短絡ルートとして整備されることとなり、キハ181系による特急「やくも」が設定された。さらに一部区間の付け替え・複線化などの改良整備が行われ、1982年の直流電化とともに振り子式電車 381系が投入された。改良が行われる一方、険しい中国山地や新見駅周辺の阿哲渓谷を貫くため単線区間や急カーブも随所に残り、振り子機構を持たない普通列車は備中高梁以北においてしばしば60km/h制限を受けるなど高速化の障害となっている。なお、利便性向上のため将来的にフリーゲージトレインの導入が検討されている。便宜上、末端部の全旅客列車が乗り入れる山陽本線岡山駅 - 倉敷駅間、および山陰本線伯耆大山駅 - 米子駅間も合わせて記載する。伯備線内の駅のうち、下記の駅以外は簡易委託駅または無人駅(ただし簡易委託駅のうち、石蟹駅と江尾駅にはPOS端末が設置されている)。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。