七隈線(ななくません)は、福岡県福岡市西区の橋本駅から同市中央区の天神南駅までを結ぶ福岡市交通局が運営する地下鉄路線である。「福岡市交通事業の設置等に関する条例」による路線名は3号線、鉄道要覧記載の路線名は3号線(七隈線)。ラインカラーはDIC-2568(系統色名:青みの緑)。天神南駅から博多駅までの区間が建設中であり、2020年度に開業する予定。これまで軌道系交通機関がなかった福岡市西南部と同市の都心部を結ぶ路線として計画され、2005年に日本で4番目に開業した鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄である。都心部では1975年に廃止された西鉄福岡市内線が走っていた城南線の地下を通っている。沿線に中村学園大学、福岡大学などの大きな大学があり、朝夕のラッシュ時に都心へ向かう通勤客と反対の方向にも通学客を中心に利用が多い路線である。沿線の大学への通学利用が多く、講義開始時・終了時には、七隈線車内が混雑(天神南 - 福大前間)している。 開業時からすべての駅にホームドア(三菱電機製)が設置されている。また、券売機や改札機など駅の諸施設に徹底したユニバーサルデザインが取り入れられている。2005年には、「地下鉄七隈線トータルデザイン」に対して日本サインデザイン協会のSDA大賞が、同「音サインシステム」に同SDA賞奨励賞が与えられている。2006年には、七隈線車両に対して鉄道友の会からローレル賞が与えられている。2010年には、同「トータルデザイン」に対して土木学会デザイン賞優秀賞が与えられている。リニアモーターミニ地下鉄では車両基地も含めて全線地下にするケースが多いが、当線の橋本車両基地は地上に設置され、非営業区間ながら初の地上区間となった。軌間は空港線・箱崎線とは異なり、標準軌を採用している。「七隈線」の愛称は一般公募されたもので、公募順位第1位は「城南線」(886件)、公募順位第2位「福大線」(731件)、公募順位第3位「七隈線」(263件)だった。公募で第3位であった「七隈線」が選ばれた理由としては、「七隈」が鎌倉時代から続く歴史的な地名であること、七隈が路線の中央に近いことなどが挙げられている。平日は朝ラッシュ時4分間隔、昼間7.5分間隔、夕方6分間隔で、土曜・休日は終日7.5分間隔で運転される。全列車が橋本-天神南の通し運転である。茶山駅には折り返し設備があり、開通前のパンフレットにも「茶山(行き)」の行先表示を付けた車両があったが、開業後から現在に至るまで中間駅での折り返し列車は存在しない。急曲線・急勾配に対応した鉄輪式リニアモーターを採用している。自動列車運転装置(ATO)によるドライバーレスシステムを採用しているため、乗務員は不要となっているが、緊急時のための運転装置は装備している。車内には、走行位置をランプで示す電子式路線図や、次の停車駅名を表示する電光掲示板、動画映像を放映する液晶テレビモニターが備え付けられている。なお、進行方向と逆の運転席は開放されており、自由に座ることができる。ただし運転装置はカバー内に収納される。1994年度(平成6年度)の鉄道事業免許申請時に実施した需要予測調査では、目標年次2006年度(平成18年度)において1日14万9806人の乗車人員を想定していた。その後、沿線開発の状況変化やパーソントリップ調査の結果を踏まえて、2002年度(平成14年度)には目標年次2005年度(平成17年度)において1日11万0957人へと下方修正し、開業から10年後にあたる2015年度(平成27年度)には単年度黒字に転換する計画に修正した。しかし、開業翌年度の実績値は約4万4千人と、見直し後の予想乗車人員の半分にも満たず、沿線の住宅開発も当初予想ほど進まなかったことなどから利用は低迷している。これを受け福岡市では収支計画の見直しを進め、それまで2009年度(平成21年度)に11万8千人、ピーク時の2034年度に15万3千人としていた1日の乗車人員数の予測を、2009年度(平成21年度)に6万5千人、ピークは1年早くなり2033年度で9万1千人へと、下方修正した。見直しに伴い、七隈線の単年度黒字の達成は2015年度(平成27年度)から2029年度に、累積赤字の解消時期は2026年から2069年へと43年間先送りすることとなったが、変更後、2009年度(平成21年度)に1日6万5千人とした乗車人員数の計画も実際には達成できていない状況であったが、2015年(平成27年)に初めて輸送実績が予想を上回った。開業以降の輸送実績を下表に記す。乗車人員には空港線・箱崎線との乗継人員を含む。また、2004年度(平成16年度)の輸送実績は2005年(平成17年)2月3日の開業から同年3月31日まで計57日間の平均値である。博多駅方面への延伸や、天神南駅から中洲川端駅を経て築港方面を結ぶ計画があり、博多駅方面へは薬院駅(渡辺通一丁目交差点付近)から分岐して結ぶ計画であった。博多駅方面への延伸は利用客からも要望が多く、天神南駅から集客力の高いキャナルシティ博多付近を経由して博多駅とを結ぶ構想も浮上した。2010年1月には福岡市が各ルートについて開業後30年の費用対効果を試算した結果、天神南駅から中洲、キャナルシティ博多付近経由で博多駅まで延伸する案が最大となったことが明らかになった。2月の市議会本会議で報告され、その後事業化が決定された。早ければ国への事業許可申請から10年後の2020年度の開業を見込んでいる。2011年7月11日には地元経済界を中心とした「福岡市地下鉄七隈線延伸促進期成会」が結成されている。2011年11月7日の福岡市発表では、延伸線はキャナルシティ博多付近を通り博多駅までの1.4kmの計画とされた。途中駅はキャナルシティ博多に近い祇園町南西のはかた駅前通り下に、また、博多駅博多口前の住吉通りとはかた駅前通りの交差点下付近の、地下25メートルの深度に新駅が、それぞれ建設される予定。また、延伸線の開業予定は2020年とされた。同年24日に閣議決定された2012年度政府予算案で延伸のための調査費が盛り込まれ事業化に一定のめどが付き、2012年6月11日に鉄道事業許可を取得した。2014年2月12日、起工式が行われた。駅の業務は、天神南駅から茶山駅の各駅(天神南管区駅)がJR九州鉄道営業に、金山駅から橋本駅の各駅(橋本管区駅)がジェイアール西日本福岡メンテックに委託されている。が日本通運福岡支店に委託されていた。
出典:wikipedia
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