くりこみ群(くりこみぐん)とは、くりこみ変換により構成される半群である。くりこみ"群"(renormalization group)と名前はついているが、実際は「群」(group)ではなく「半群」(semi-group)である点は注意すべきことである。「くりこみ変換」とは、直感的に言うとスケール変換をして粗視化することである。量子論的場の理論の理解では素粒子は半径を持たないので任意のスケール変換に対し、元のスケールの粒子描像に新たに量子補正を取り入れた粒子を「変換後のスケールにおける粒子」と再定義することが可能である。つまりスケール変換に応じて質量や結合定数の異なる粒子描像に移行することになる。理論のパラメータが1つである典型的な場合を考える。パラメータがformula_1であるとして、スケール変換を考える。この時、formula_1に依存する量formula_3がのように変換されると仮定する。したがって、formula_4の初期条件はで与えられる。パラメータformula_1とformula_3の対formula_7は空間formula_8の点と考えられるので、写像formula_9はformula_10の中への写像だと見なせる。今、変換formula_11をと書き、関係式を満足しているものと仮定する。このとき、単位元はformula_12であり、任意のformula_13に対してformula_14がわかるので、集合formula_15は、可換半群をなすことがわかる。このformula_15を「くりこみ変換」と呼ぶ。くりこみ群方程式とは、端的に言えば、理論のパラメータのスケール変換に対して物理量がどのように応答するかを記述する偏微分方程式のことである。くりこみ変換の関係式を、formula_4の言葉で書くと、と表現できる。これは、関数等式としての「くりこみ群方程式」である。このままでは扱いにくいので、普通はformula_4の連続微分可能性を仮定し、偏微分方程式の形に直す。そのためには、formula_19とおいて、上式の両辺をformula_20で微分してformula_21とおけばよい。得られる式はである。ただし、formula_22はで定義される。このような偏微分方程式を、「Gell-Mann=Low型のくりこみ群方程式」という。「Gell-Mann=Low型のくりこみ群方程式」とは異なり、非同次項を持つくりこみ群方程式があらわれることもある。そのようなタイプの方程式は、「Callan-Symanzik型のくりこみ群方程式」と呼ばれる。得られた方程式は1階の線形偏微分方程式であるので、特性方程式を解いて一般解を求めることができ、それはで与えられる。ただし、formula_23は、を満足する関数、formula_24はformula_25の任意関数である。ここで、初期条件によりformula_26はformula_27であることがわかるので、結局、が解である。関数formula_22は、物理量のスケール変換の応答を決定する重要な量で、ベータ関数と呼ばれる。ベータ関数をどうやって求めるかは重要な問題だが、摂動計算による以外、事実上、方法はない。場の理論でformula_3を頂点関数などに選び、formula_1をくりこみ点formula_31に選んだ場合、formula_3のformula_1依存性は、いくつかの関数formula_34を通してあらわれる。よって、このときのくりこみ群方程式は、ベータ関数はとなる。
出典:wikipedia
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