ちゃんぽんは、この項では、主に後者について記述する。江戸時代には既に存在した表現で、洒落本での用例が残っている。異なる種類の酒を一時に飲むことや、医薬品・その他の薬物を数種類同時に服用することの形容などによく用いられる語である。朝鮮語の「チャンポンハダ」(ちゃんぽんする)も、同様の意味がある。語源事典では「異なるものを混ぜること」の語源として、鉦の音(ちゃん)と鼓の音(ぽん)という擬音としてつなげた近世(江戸時代)の造語であるとしている。これらの語源事典では、「混ぜること」より発生が遅い料理名の「ちゃんぽん」について、中国語説を取り上げながらも、「混ぜること」の意味から影響された名前としている。長崎ちゃんぽんの語源については諸説ある。福建語の挨拶「吃飯」もしくは「吃飯了」(直訳するなら「飯は食ったか?」)から来ているとの説、同じく福建語の「混ぜる」を意味する語「混」から来ているとする説が存在する。マレー語およびインドネシア語の「campur(チャンプル)」、沖縄方言の「チャンプルー」、「ちゃんぽん」はともに「混ぜる、ごちゃ混ぜにする」という意味があり、同一語源の可能性がある。後述の沖縄のちゃんぽんはおかず載せごはんであるが、その形態はインドネシアのナシチャンプル(nasi campur ナシはご飯の意味)と一致する。ただ、いずれも根拠が乏しく単なる連想による民間語源の可能性が強い。長崎県長崎市発祥のちゃんぽんは福建省の福建料理をベースとしている。明治時代中期、長崎市に現存する中華料理店「四海樓」の初代店主陳平順が、当時日本に訪れていた大勢の中国人(当時は清国人)留学生に、安くて栄養価の高い食事を食べさせる為に考案したとされる。一方異説もあり、明治初年には既に長崎人の本吉某が長崎市丸山で、支那饂飩をちゃんぽんの名で売り出していたともいう。1907年(明治40年)に出版された『長崎縣紀要』には「チヤポン」の表記で濃厚な味ながら支那留学生や書生の好物で、すでに市内十数か所で提供されていたことが紹介されている。豚肉、ネギなどの野菜、蒲鉾など魚肉生産品、十数種の具材をラードで炒め、豚骨と鶏がらでとったスープで味を調える。そこにちゃんぽん用の麺を入れて煮立る(他の中華麺類との大きな違い)。公正競争規約施行規則別表では、長崎チャンポンは「長崎県内で製造され」また「唐あく」と呼ばれる長崎独特のかん水で製麺したものと規定する。そのため長崎のちゃんぽん麺は他県で製造されたものと成分が異なり、独特の風味がある。長崎ちゃんぽんのルーツ福建省の省都福州市に属す福清市には、「燜麺」(メンミエン)と呼ばれる材料、味、見かけ、作り方が似る麺料理があり、現在も広く食べられている。福州語では「燜八」(モウンマイッ)といい、先に鍋で具を炒めてから、スープと麺を加えて煮る。長崎ちゃんぽんは全国的に知られたご当地料理であり、太い麺と具材の多さが特徴であり、麺は切刃番手16番のが使われる傾向にある。長崎ちゃんぽんに影響されたと思われる麺料理が日本全国に存在する。特に九州各地のご当地ちゃんぽんはスープや具材など長崎ちゃんぽんの特徴を強く引き継いでいる。さらに九州各地の濃厚な豚骨ラーメンも、長崎ちゃんぽんの影響を大なり小なり受けている。長崎ちゃんぽんが全国的に知られるようになったのには、全国チェーンとなったリンガーハットの影響も大きい。ちゃんぽんの具が袋詰めされて売られていることもあり、家庭でも手軽に作れるようになっている。ちゃんぽん用の麺が焼きそばに使われることもある。熊本県天草諸島はかつて船を介して長崎との交流が盛んだった為、「天草ちゃんぽん」と呼ばれるちゃんぽんが発展した。天草下島各市町の商工会議所では天草地方の国道3路線(国道266号・国道324号・国道389号)を2006年秋から「天草ちゃんぽん街道」と名付け、町おこしを図っている。福岡県北九州市戸畑区のちゃんぽんは、早く作り上げるために細めの蒸し麺が用いられている。熊本県水俣市は、かつて漁師や海運業者を介して長崎・天草との交流が盛んだった。水俣市浜町の喜楽食堂初代店主・三牧美恵子が昭和25年開業当時、天草のお客さん(漁民)から、チャンポンを教えてもらい、材料とイメージだけを基に創りあげたチャンポンが水俣の元祖と言われている。特徴は卵を使っていない白い蒸し麺「色白チャンポン麺」で、ほとんどの店が使用している。町おこしとして2010年より、水俣JC水俣青年会議所と共に水俣チャンポン探究会を発足水俣でのチャンポンの消費量は月間1万食を超えている。長崎ちゃんぽんから派生したご当地ちゃんぽんのなかには、和風のあっさりしたスープを特徴とするものが存在する。多くの場合、具材の多さややや太めの麺などの特徴は継承しているが、白濁スープと和風スープの違いは味覚的にも視覚的にも大きく、ちゃんぽんというよりもラーメンに近い形態のものもある。滋賀県彦根市にはカツオ・昆布出汁ベースのスープを特徴とするちゃんぽんが存在する。主な具材は中太麺とたっぷりの野菜で、通常魚介類は入れない。長崎ちゃんぽんと違って、具材は炒めずに煮込む。途中でスープに酢を入れて味に変化を加えるのが定番の食べ方である。1963年に銀座商店街で開業した食堂「麺類をかべ」の店主が、旅先で食べた長崎ちゃんぽんに触発されて独自に開発したのがはじまりとされる。「麺類をかべ」のちゃんぽんはやがて市内の他の食堂や中華料理店にも広まり、1990年代からは「ちゃんぽん亭総本家」(ドリームフーズ)が「近江ちゃんぽん」のブランド名で県内各地や近隣府県にチェーン展開を行っている。発祥店である「麺類をかべ」は土地の貸借契約切れのため2012年6月末に閉店したが、閉店前に市内の別の場所で2号店を開き、昔ながらの味を継承している。愛媛県八幡浜市は2014年(平成26年)10月時点で50店舗ほどある。八幡浜ちゃんぽんの特徴は、鳥ガラや煮干でダシを取ったアッサリとしたスープに、野菜や豚肉がたっぷり用いられるのが通例である。麺は太めである。肉・野菜と共に八幡浜の特産品であるじゃこ天などの水産練り製品を使った店が多い。2006年(平成18年)度から八幡浜商工会議所青年部が中心となって振興に取り組み、ガイドブック『八幡浜ちゃんぽんバイブル』を発刊している。。2008年(平成20年)には期間・地域限定商品としてサークルKサンクスから『八幡浜風ちゃんぽん』が発売された。福岡市など西鉄沿線に店舗をもつ「やりうどん」や福岡空港にある「はち屋」(いずれも西鉄プラザが経営)などの人気メニューで、中華麺ではなく、中太で柔らかいうどんを使用した和風だしのもの。カレーちゃんぽんうどんなどの変種も提供されている。この他にも県内の北九州市や飯塚市などを含め、うどんを使ったちゃんぽんを提供する店が全国各地に点在しているが、スープは必ずしも和風とは限らない。日本各地に、醤油ベースのスープをあんかけ状にしたちゃんぽんも存在する。鳥取県・島根県の「山陰ちゃんぽん」、兵庫県尼崎市の「尼崎ちゃんぽん」(通称「尼チャン」)など。秋田県秋田市にあるチャイナタウンが有名。どんぶりから溢れんばかりの魚介類と野菜に、大量のあんがかかった味噌味のスープが特徴。姫路市周辺では焼きそばに焼きうどんを混ぜた「ちゃんぽん焼き」が1950年代よりお好み焼き屋を中心に販売されており、地元では定番グルメになっている。うどんとそばの相盛りをちゃんぽんと呼ぶ例はこれ以外にもみられ、富山県のあいの風とやま鉄道・JR西日本・高岡駅の立ち食いそば店で、うどんと蕎麦を1つの丼に盛った物を「ちゃんぽん」という名称で販売している。沖縄県における「ちゃんぽん」とは、平皿に盛った米飯の上に野菜炒めの卵とじを載せた料理を指す。大衆食堂にみられるメニューで、箸ではなくスプーンを使って食べる。具材や味付けは店によって異なるが、野菜はキャベツ、にんじん、もやし、たまねぎなど、肉類は豚肉の薄切り、缶詰のランチョンミート、コンビーフハッシュなどがよく使われる。おかず載せご飯という点でインドネシアのナシチャンプルと類似性があり、野菜炒めを意味するチャンプルーの語源も含めて関連性を主張する説もある。大韓民国のちゃんぽん()は中式(朝鮮風中華料理)に分類される麺料理で、主に中華料理店で食べられ、チャジャンミョンと並ぶ人気がある。スープは豚骨などで取るが、粉唐辛子が入っているため赤く、辛い味付けである。主な具はイカ、エビ、アサリ、カキ、ナマコ、タマネギ、ニンジン、シイタケ、キクラゲ、豚肉などである。白飯にちゃんぽんのスープと具をかけるとチャンポンパプとなる。農心や三養ラーメン、オットゥギがインスタントのちゃんぽんを製造している。近年では、辛くない日式ちゃんぽんも、インスタントを中心に販売されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。